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第12号(令和06年) 「最低賃金法の改正と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める陳情

受理番号 第12号
(令和06年)
受理年月日 令和6年5月27日
付託委員会 経済企業委員会 委員会付託年月日 令和6年6月4日
議決結果 不採択 議決年月日 令和6年6月14日
紹介議員
第12号(令和06年)
  「最低賃金法の改正と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める陳情

1. 陳情の趣旨
最低賃金法を改正し、全国一律制度を実現し、抜本的に引き上げること、中小企業支援策の拡充を実現するため、貴議会におかれましては、国に対して別紙の意見書を提出する採択を求めます。

2. 陳情の理由
昨年から続いている物価の高騰が、栃木県民の生活を圧迫し、特に、最低賃金近傍で働くパートや派遣、契約など非正規雇用やフリーランスなど弱い立場の労働者の生活破綻が深刻です。また、価格転嫁ができずに苦しむ中小零細企業の経営にも打撃を与えています。
2008年のリーマンショックのとき、世界各国は賃金の引き上げを含む内需拡大で、経済危機を克服してきました。しかし、日本は、派遣切りや不安定雇用の拡大、賃金の抑制で企業利益の拡大をすすめました。その結果、国民の格差と貧困化が大きく広がりました。物価高騰から労働者の暮らしを守り、コロナ禍を克服し、日本経済の回復をすすめるためには、GDPの6割を占める国民の消費購買力を高める必要があります。そのためには、最低賃金の改善による賃金の底上げが必要です。

日本の最低賃金は、地域別であることが海外と比べても上がらない原因になっています。現行法では、最低賃金決定の3要素「その地域の労働者の生計費と賃金、事業の支払能力」を考慮し、最低賃金額を決めています。地域別である限り、最低賃金額が低い地域では、その現状の支払能力や経済状況は、冷え込んだ指標をもとに最低賃金額が決められ、低いままとなります。また、最低賃金額の高い地域は低い地域を考慮し決められています。このように地域別制度は、最低賃金額が低い地域は常に低いままとなり、引き上げを妨げる構造的な欠陥があります。人口の一極集中や若者の都市部の流失を止めることもできません。最低賃金額が低い地域は、労働者の賃金が低くなり、年金、生活保護費、公務員賃金など、あらゆる生活と経済格差につながっています。最低賃金額が低い地域の経済の疲弊を生み、日本経済をゆがめ、冷え込ませている決定的な原因になっています。労働者の賃金は、経済の最も基本的なべースです。このべースを一律にしなければ、どんな経済対策を講じても日本経済を再生することはできません。2023年の最低賃金の審議に当たっては、最大の上げ幅となった佐賀県をはじめ、各地で自治体からの発信が大きな影響を与えました。地域経済の実清をよく知る地元自治体からの発信が、国の制度の改善につながることを、私たちは確信しています。

地域別最低賃金の国は、カナダ、中国、インドネシア、日本の四か国(全体の3%、2013年)のみです。米国は州ごとにも最低賃金が決められていますが、連邦最賃は全国一律最低賃金制です。日本も批准するILO最低賃金決定制度勧告(第30号、1928)が「同価値労働に対する男女の同一報酬の原則」と「労働者が妥当な生活水準を維持しえるように考慮する」ことを規定しているのは当然のことです。

栃木県の最低賃金は昨年41円引き上げられ954円となりましたが、東京も41円引き上げられたため格差は是正されていません。2006年最低賃金の地域格差は109円だったが、2024年は220円と2倍以上になり、その差はあまりに大きく、実現には様々なハードルがあるのも事実です。しかし、私たち全労連が全国でおこなっている最低生計費試算調査によれば、健康で文化的な生活をする上で必要な最低生計費に、地域による大きな格差は認められません。政府として、相応の財政捻出する決断も含め、最低賃金法を改正し、直ちに全国一律に是正すべきと考えます。

全国一律制にするとともに最低賃金を引き上げるためには、国による抜本的な中小・零細企業支援の強化が必要です。政府による助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策の拡充と大胆な財政出動が求められています。また、下請け企業の単価削減・賃下げが押しつけられないように公正取引ルールが実施される指導が必要です。労働者・国民の生活を底上げし、購買力を上げることで、地域の中小・零細企業の営業も改善させる地域循環型経済の確立が可能になります。

労働基準法は第1条で「労働条件は、労働者が人たるに直する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」としており、最低賃金法第9条は、「労働者の健康で文化的な生活を営むことができるよう」にするとしています。

このような状況を踏まえ、地方自治去第99条に基づいて、国に意見書を提出していただくよう陳情します。


【別紙】
           最低賃金法の改正と中小企業支援策の拡充を求める意見書

昨年から続いている物価の高騰は、県民生活を圧迫し、中小零細企業を中心に打撃を与え、地域経済を疲弊させている。特に、最低賃金近傍で働くパートや派遣、契約など非正規雇用やフリーランスなど弱い立場の労働者の生活破綻は深刻である。非正規労働者の低賃金と深刻な働き方の実態を集めたパート労働黒書でも低すぎる賃金、生活できない賃金のためにダブルワークやトリプルワークをしなければならないなどの声が多い。この難局を乗り越えるには、GDPの6割を占める国民の消費購買力を引き上げること、賃金の底上げを図ることが不可欠であり、最低賃金の大幅引き上げと地域間格差をなくす全国一律へ法改正をおこなうことがこれまで以上に重要になっている。

2023年の地域別最低賃金改定は、最高の東京で時給1,113円、栃木県では954円、最も低い県では893円に過ぎない。毎日8時間働いても月12万〜16万円(税込み)程度であり、最低賃金法第9条3項の「労働者の健康で文化的な生活」を確保することはできない。地域別であるがゆえに、栃木県と東京都で同じ仕事でも時給で159円もの格差があり、都市部への労働力流出の要因にもなっている。

日本の最低賃金は、地域別であることが海外と比べても上がらない原因になっている。現行法では、最低賃金決定の3要素「その地域の労働者の生計費と賃金、事業の支払能力」を考慮し、最低賃金額を決めている。地域別である限り、最低賃金額が低い地域では、その現状の支払能力や経済状況をもとに最低賃金額が決められ低いままとなる。また、最低賃金額の高い地域は低い地域を考慮し決められている。このように地域別最低賃金制度は、引き上げを妨げる構造的な欠陥がある。人口の一極集中や若者の都市部への流失を止めることもできず、最低賃金額が低い地域は、労働者の賃金が低くなり、年金、生活保護費、公務員賃金など、あらゆる生活と経済格差につながっている。最低賃金額が低い地域の経済の疲弊を生み、日本経済をゆがめ、冷え込ませている決定的な原因になっている。労働者の賃金は、経済の最も基本的なべースであり、このべースを一律にしなければ、どんな経済対策を講じても日本経済を再生することはできない。
世界各国の制度と比較すると、日本の最低賃金は、OECD諸国で最低水準であり、ほとんどの国で、全国一律制をとっている。そして、政府として大胆な財政出動を行い、公正取引ルールを整備するなど具体的な中小企業支援策を確実に実施し、最低賃金の引き上げを支えている。日本でも、中小企業への具体的で十分な使いやすい支援策を抜本的に拡充・強化する必要がある。

労働者の生活と労働力の質、消費購買力を確保しつつ、地域経済と中小企業を支える循環型地域経済の確立によって、誰もが安心して暮らせる社会をつくりたいと考える。そのために、最低賃金を全国一律制度にし、抜本的な引き上げをしていくことを要望する。

以上の趣旨より、下記の項目の早期実現を求め、意見書を提出する。

                       記
1. 政府は、最低賃金法を全国一律制度に改正すること。
2. 政府は、労働者の生活を支えるため、最低賃金1,500円以上をめざすこと。

3. 政府は、最低賃金の引き上げができ、経営が継続できるように、中小企業の支援策を抜本的に拡充・強化し、国民の生命とくらしを守ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
2024年  月  日
栃木県議会議長 日向野 義幸

内閣総理大臣 宛
厚生労働大臣 宛
中央最低賃金審議会会長 宛

※添付資料は事務局保管

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