第77号 (平成14年) 有事関連三法(案)に反対する意見書の採択に関する陳情
受理日:平成14年9月4日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成14年9月26日
議決日:平成14年10月4日
議決結果:不採択
(陳情の主旨)
第百五十四国会で政府から提案の「武力攻撃事態法案」、「自衛隊法改正案」、「安全保障会議設置法改正案」の有事関連三法案が継続審議となりましたがこれらの法律案は、日本に対する武力攻撃が発生したり、武力攻撃が予想される事態への対処を定めたもので、従来の日本の防衛政策を大きく転換するものです。
これらの法案が成立すれば武力攻撃が発生する「おそれ」が「予測」されるだけで、自衛隊が活動をはじめることができるうえ、地方公共団体や指定公共機関には国への協力が義務づけられます。さらに首相の「指示」が実施されないときは、首相が直接に指示を実行させる代執行権を認めるなど、周辺事態法の規定以上に国の権限を肥大化させ、自衛隊の活動領域を大きく拡大するものです。物資の保管命令違反に対する罰則も定められるなど、憲法で保障されている国民の基本的人権や財産権を侵し、地方自治体の本旨にも反するものであることは明らかです。
社民党は「万一の武力攻撃」を引き起こさないためには平和憲法に基づく普段からの努力こそが必要であり、武力に依存せずに「人間の安全保障」を機軸に据えた外交努力を重ね、近隣諸国との信頼関係を醸成することこそが、平和憲法の理念に即した最良の備えであると確信しています。
国民の権利と財産を奪い、地方分権の理念に反する有事法制制定の必要はまったくありません。私たちは、客観的な安全保障環境と平和憲法の理念をふまえ冷静に判断するならば、いまあえて地方自治体や国民に戦争協力を強制する法制度をつくる必要はないと考えます。
以上の観点から以下について、陳情いたします。
(陳情事項)
平和憲法の理念に反し、国民の基本的人権や財産権を侵害する有事関連三法案について、国会に対して徹底審議を要望するとともに、反対する意見書を採択すること。