第70号 (平成14年) 県庁舎に関する陳情
受理日:平成14年2月19日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成14年3月6日
議決日:平成14年3月22日
議決結果:不採択
一 陳情の趣旨
外壁保存方法による新県庁舎案
@ 景観保存、文化財的価値保存ができる新庁舎
A 耐震、移築にかかる費用が極端に節約できる新庁舎
B 中心市街地活性を考えた新庁舎
C 知事、議会、県民の今までの論議、経過を踏まえ、すべてを集約できる新庁舎
D 経済状況を考慮した新県庁舎
二 陳情事項
@ 現庁舎の南棟の一部が、東南側に西を向けて移築する事の結論に対しては、反対をします。
A なぜならば、保存の意味や、なぜ保存をするのかという本質を考える時、都市の景観や文化財的意味をなさない保存はあり得ないのではないかと思います。
B 東方面から県庁に来る人はそのお尻を見ながら来る事になる、しかも尻切れトンボの姿を、なのです。(添付:@合成写真)
C 栃木県市町村文化財保護委員会協議会々長、A氏(文博)は、他県の例(群馬県庁本庁舎、神奈川県本庁舎、愛知県本庁舎、静岡県庁本館)に見るように文化財的価値を国の登録有形文化財として登録し(栃木県庁舎も、文化庁が、日本近代建築総覧に記載、登録文化財とするようPRしているとの事)優れた歴史遺産、景観を大切にする、その心こそ明日のよき栃木をつくる原動力であります、と述べておられます。
D B氏(宇都宮工業高校教頭・栃木県建築士会副会長・工博)は、各ロータリークラブなどの卓話で、マロニエ通りの北正面に位置し県民の原風景となっている不可欠の建物であり商工会議所の例を挙げ、もし県庁舎が同じような事になったら後世の人々はどう思うだろうかと危機感を訴えておられます。
E 今、日本国中はもとより、我が県でも約七五%の企業が赤字の苦しみを味わっているということですが、税収面からも、また地価下落の現情も無視はできないと思います。(二十五億円という東側へ移築一部保存のため、一五・九億円の資料館整備のための費用が必要だとの事ですが・・・)
F これらの事実や現況、そして今までの経過などを考えて、今ならばまだ間に合う(設計を発注したばかり、と聞き及んでいますので)案を提案いたします。
G 終戦時にG・H・Q本部として使われた皇居前の第一生命、東京銀行協会、京都三井ビル、日銀大阪支店、群馬会館、神戸地裁などは保存の最後の方法といわれる外壁保存の一例です。(添付資料:とちぎ総合研究機構より)
H これは、文化財的、都市景観的価値を保存をする時のぎりぎりの保存方法です。
I 南棟(出来れば西棟も)の壁一面を残して新たに今の南棟の奥行きの建築をします。(玄関部分の車寄せや階段部分はイメージだけを残しすべて奥の棟へのゲートとします。)
J 正庁などの部分は往時の復旧をして残すことをします。
K 四階建ての新南棟の後ろに十三階建ての新県庁舎と議会棟を配します。
L そうする事により、警察合同庁舎の高さと同じになり統一感が出て、なおかつ、電波障害などの心配がなくなります。
M もし、道路拡幅による南棟の中心がずれてしまうのならば、外壁のみの移動で済みます。
N この保存方法ならば、耐震を問題にすることもなく、費用も少なくて済むはずです。また、マロニエシンボルロードからの都市景観をたもつことができます。(玄関部分は少し変わるでしょうが)
O 当然、バリアフリー化や電子化をした、県庁、議会棟の新築ができることになります。
P また、四階の低層部は後ろの十三階行政棟とセキュリティーを掛けることにより、土曜、日曜、祭日にも県民や県外から栃木県の誇る産物、芸術、文化を手に取って見られるような、利用方法を企画をする事により、宇都宮中心部の活性化が図れます。(添付:B概念図)
Q 以上記述しましたことは、前知事が、立派な県政を敷かれておられた、にもかかわらず、知事が変わられた事の一因に県庁舎問題もあったのではないか、という事も含め、民意を代表する県議会の先生方には、今一度、現情勢と将来を見据えて、柔軟なかつ本質を捉えたご検討をいただけるように、切に、お願いいたします。
※添付資料は事務局保管