第55号 (平成13年) 「青少年健全育成に関する基本法」の制定を求める意見提出についての請願
受理日:平成13年5月25日
付託委員会:厚生環境委員会
付託日:平成13年6月8日
増渕賢一
議決日:平成13年6月18日
議決結果:採択
明日の社会を担う青少年の健全育成は、すべての国民の願いであります。しかしながら、今日わが国の青少年の荒廃は深刻な事態に直面しております。青少年の荒廃は、急増する離婚、頻発する児童・幼児虐待事件に象徴される家庭の問題、また倫理・道徳教育を排し、知識偏重教育に陥り、人格形成の場としての役割を果たしてこなかった学校の問題、そして地域社会においては、四兆円を上回る市場規模の性産業の氾濫の問題等、我々大人が「青少年を守り支援し、時に戒める」という義務を果たさなかったゆえの結果と言わざるを得ません。
これらの問題に対して、国は従来それぞれの分野における諸法規により対処してきましたが、いずれの法規も限られた分野における対症療法的な内容に留まり、問題が指摘されています。また、全国民的課題である青少年問題について、各都道府県の条例で区々に対応するという限界性は以前から問題として指摘されています。
平成十一年に発表された第十五期青少年問題審議会(総理大臣の諮問機関)の答申においても、「青少年育成基本法」の必要性について言及されているところでもあります。
今、求められているのは、青少年の健全育成に対する基本理念や方針などを明確にし、これによる一貫性のある、包括的、体系的な法整備であります。
特に、「健全な青少年は健全な家庭から育成される」という原点に立ち返り、「家庭の価値」を基本理念に据えた、「青少年の健全育成に関する基本法」が必要と考えます。
以上の理由により、左記の内容を含めた、「青少年の健全育成に関する基本法」の制定を求める意見書を政府に提出するよう請願いたします。
請願事項
一、明日の社会を担う青少年を健全に育成するため、「青少年の健全育成に関する基本法」の制定を求める意見書を政府に提出すること
(青少年健全育成基本法を制定するに際し、配慮すべき事項)
一、「家庭の価値」を重視した、青少年の健全育成に関する基本理念・方針を定める
二、家庭の責務、教育現場の責務、地域社会の責務を明確にする
三、有害図書(雑誌・ビデオ・パソコンソフト・CD−ROM等)の販売、貸出は専門店でのみ扱う
四、有害図書類、アルコール、たばこ類の自動販売機での販売禁止、広告の制限
五、テレビ番組のランク付けを義務化する「Vチップ制度」の導入による有害番組の規制システムを作る
六、インターネット、パソコン通信のわいせつ性及び暴力性の高い画像などを規制する
七、青少年を性犯罪から守るため、淫行処罰規定を法律として定め強化する。