第53号 (平成13年) 家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)の防止及び被害者の保護に関する法律の早期制定を求める意見書
受理日:平成13年2月5日
付託委員会:厚生環境委員会
付託日:平成13年3月7日
議決日:平成13年3月23日
議決結果:採択
(陳情の趣旨)
被害者である女性たちが、長い間の沈黙を破り、家庭内(密室)における妻や恋人への暴力の実態が明らかになっています。先ごろ、栃木県内においても家庭内暴力の実態が報道されました。
この報道では、家庭内の暴力が日常的にまん延し、深刻な状況にあることが明らかになっています。現実に、家庭内の暴力による被害件数は増加し、命を奪われる女性もいます。今や一刻の猶予のならない事態になっています。
日本政府の男女共同参画審議会は、二〇〇〇年七月に『女性に対する暴力に関する基本的方策について』と題した答申をまとめ、首相に提出しました。
世界的にも、一九九三年の国連「女性に関する暴力撤廃宣言」、一九九五年・二〇〇〇年の国連世界女性会議で、家庭内暴力は個人の問題ではなく、社会が向き合い対処していく問題であるという提起がなされ、各国で法制度が整えられつつあります。
男女がともに安心して暮らせる社会のために、加害者に対する刑事罰、公的機関による被害者女性の保護、二十四時間体制の専門窓口の設置などを盛り込み、「女性への暴力防止」に総合的に対応する法整備が早急に求められています。
(陳情事項)
家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)の防止及び被害者の保護に関する法律の早期制定を求める意見書を採択し、関係各位に提出することを陳情いたします。
家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)の防止及び被害者の保護に関する法律の早期制定を求める意見書(案) 被害者である女性たちが、長い間の沈黙を破り、家庭内(密室)における妻や恋人への暴力の実態が明らかになっている。先頃、栃木県内においても家庭内暴力の実態が報道された。
一九九九年に総理府が初めて行った全国調査によると、四・六%(二十人に一人)の女性が夫やパートナーから「命の危険を感じるくらいの暴行を受けた」という結果が出ている。また、「医師の治療が必要とならない程度の暴行を受けたことがある」と回答した女性は、一四・一%(七人に一人)にものぼる。この調査によって、家庭内の暴力が日常的にまん延し、深刻な状況にあることが明らかになった。現実に、家庭内の暴力による被害は増加し、命を奪われる女性もいる。今や、一刻の猶予のならない事態に直面している。
こうした事態を重視して、男女共同参画審議会は、二〇〇〇年七月に『女性に対する暴力に関する基本的方策について』と題した答申をまとめ、首相に提出した。答申は、夫やパートナーからの暴力や性犯罪などの女性への暴力を「女性差別の意識に根ざした構造的問題」と位置づけ、新たな法制度や保護・相談体制の整備を検討するように求めている。
また、参議院の「共生社会に関する調査会」に設けられた「女性に対する暴力に関するプロジェクトチーム」においても、「女性に対する配偶者等による暴力防止法」(仮称)の立法化に向け、超党派で議論が重ねられている。
世界的にも、一九九三年の国連「女性に関する暴力撤廃宣言」、一九九五年・二〇〇〇年の国連世界女性会議で、家庭内暴力は個人の問題ではなく、社会が向き合い対処していく問題であるという提起がなされ、各国で法制度が整えられつつある。
男女が共に安心して暮らせる社会のために、加害者に対する刑事罰、公的機関による被害者女性の保護、二十四時間体制の専門窓口の設置などを盛り込み、「女性への暴力防止」に総合的に対応する法整備を早急に求める。