第49号 (平成12年) 保育の拡充に関する陳情
受理日:平成12年12月11日
付託委員会:厚生環境委員会
付託日:平成12年12月20日
議決日:平成12年12月27日
議決結果:不採択
陳情理由
保育所は、これまでの「子育てと就労支援」の機能に加えて、地域の子育て世帯に対する支援機能が求められています。六大臣合意による新エンゼルプランでは、「乳児保育」「延長保育」「子育て支援センター」「一時保育」「休日保育」「病後児保育」等々の実施増の目標を掲げました。また、厚生省は保育所に入れない待機児童の解消のための目標も掲げました。
保育所では、そうした地域社会の期待に応えるために「乳児保育」及び「延長保育」を中心に積極的に取り組み始めています。「子育て支援センター」及び「一時保育」に取り組んだ保育所では、育児不安に悩んでいた母親が保育所に相談したことでその不安が和らいだという報告が増えています。
しかし一方では、四歳児〜五歳児三十人に保育士一人、三歳児二十人に保育士一人という最低基準の改善は見送られました。欧米では五歳児でも十人以下の基準です。乳幼児期の基本的信頼や安心感を育む保育所本来の保育・教育を充実させる環境整備は大きく遅れていると言えます。
また、地域支援事業のほとんどは、補助金事業です。補助金事業は、年度後半にならないと実施許可が下りない、補助金交付時において減額される…等々、事業の継続性・安定性に大きな問題があります。
さらに、保育所に企業の参入を認めることや調理業務の外部委託、保育士のアルバイト化を認める規制緩和を進めていることへの危惧を抱きます。
私たちは、保育所における保育の質を向上させ、さらに地域の子育てセンターとしての機能を十分に果たしていきたいと望んでいます。つきましては、国の最低基準の不足部分を県として補完してくださるよう陳情いたします。
陳情項目
一、一歳児保育担当保育士増員費を拡充してください。
二、受持ち児童数を改善するための補助を新設してください。
三、障害児の入園枠を増やし、事業費を拡充してください。
四、保護者負担を軽減するよう助成してください。
五、無認可保育園への助成を拡充してください。
六、実績のある無認可保育園の認可を優先してください。
七、企業が申請する保育園認可は受理をしないでください。
八、保育士・職員に専門職としての給与水準を保障できるよう助成してください。