第15号 (令和03年) 国立病院の機能強化を求める陳情書
受理日:令和3年2月19日
付託委員会:生活保健福祉委員会
付託日:令和3年6月8日
議決日:令和3年6月21日
議決結果:不採択
要 旨
1 陳情の趣旨
貴職におかれましては、日頃より国民の医療・福祉の充実にご尽力いただき心から感謝申し上げます。
戦後最悪といえる「COVID−19(以下「新型コロナ」と表記)」の感染拡大によって、感染症対策のみならず日本の医療体制のぜい弱さが浮き彫りとなりました。未だコロナ禍の終息が見えない中、医療従事者は、厳しい人員体制で心身ともに疲弊した状態で休むことなく患者のいのちと向き合っています。
一方で、新型コロナ患者を受け入れることによって、その他疾病の患者の受診・入院が激減するなど病院経営を圧迫することから、民間医療機関では受け入れに慎重にならざるを得ない実態があります。
国民のいのちと健康を守るのは国の責務です。そのためにも全都道府県にネットワークを持つ、国立高度専門医療研究センター及び国立病院機構病院(以下「国立病院」と表記)の診療・研究にかかわる必要な経費に国費を投入し、新興感染症対策など採算の取れないセーフティーネット系医療において中心的役割を果たすよう機能強化することが、地域医療を守り、充実させることに繋がります。
2 陳情の理由
しかしながら、栃木県内では「国立宇都宮病院」が統廃合の対象となっています。当施設では、コロナ病床も創設し、対応に努めておりますが、政府の公的病院削減の計画はいまだ生きており、スタッフは不安の中におります。
また昨年の物資が不足する時期でも「国立栃木医療センター」では、感染の恐怖とたたかいながらも患者を受け入れてきました。
このふたつの国立病院施設が統廃合されれば、県民の医療をひっ迫してしまいます。国立病院の機能強化でこそ、国が、憲法25条に保障された国民の生存権を保障するとともに国の社会的使命を果たします。
ぜひ、別紙「意見書」を決議いただき関係機関に提出いただけますよう陳情いたします。
(別紙)
国立病院の機能強化を求める意見書
貴職におかれましては、日頃より国民の医療・福祉の充実にご尽力いただき心から感謝申し上げます。
戦後最悪といえる「COVID−19(以下「新型コロナ」と表記)」の感染拡大によって、感染症対策のみならず日本の医療体制のぜい弱さが浮き彫りとなりました。未だコロナ禍の終息が見えない中、医療従事者は、厳しい人員体制で心身ともに疲弊した状態で休むことなく患者のいのちと向き合っています。
一方で、新型コロナ患者を受け入れることによって、その他疾病の患者の受診・入院が激減するなど病院経営を圧迫することから、民間医療機関では受け入れに慎重にならざるを得ない実態があります。
国民のいのちと健康を守るのは国の責務です。そのためにも全都道府県にネットワークを持つ、国立高度専門医療研究センター及び国立病院機構病院(以下「国立病院」と表記)の診療・研究にかかわる必要な経費に国費を投入し、新興感染症対策など採算の取れないセーフティーネット系医療において中心的役割を果たすよう機能強化することが、地域医療を守り、充実させることに繋がります。
また、新型コロナ蔓延時においては、人工呼吸器等医療機器や取り扱うスタッフが不足し、重症患者への対応が十分に出来ませんでした。さらに現場では、マスクや個人防護服などの必要物品が欠乏し、大幅な人員不足なうえに、十分な感染対策も出来ないまま患者対応をせざるを得ない状況にも陥りました。このように、必要な人員、医療機器、物品が欠乏し、国民の命が救えないなどという状況はあってはならないことであり、国が責任を持って対策に取り組むことが必要です。
国立病院を機能強化し、憲法25条に保障された国民の生存権及び国の社会的使命を果たすよう以下の事項を強く要望します。
記
1. コロナ等の感染症や大規模災害から国民のいのちを守るため、国立
病院を機能強化すること。
@ 国の責任において、国立病院に「新興・再興感染症対策」に十
分に対応できる専門病床を設置し、人工呼吸器やECMO等の医療
機器の整備をすすめること。
A 「大規模災害」等の発生時においても、患者・国民に万全な医
療が提供できるよう国立病院の機能強化を図ること。
2. 国立病院の機能強化を図るために、医師、看護師をはじめ全ての職
員を増員すること。
3. 国立病院の機能強化に必要な財源は、国の責任で確保すること。
4. 地域医療構想にある「国立宇都宮病院」の統廃合計画を撤回するこ
と。
以上、地方自治法第99条に基づき提出いたします。