第13号 (令和02年) 核兵器禁止条約に署名・批准を求める国への意見書採択を求める陳情
受理日:令和2年11月30日
付託委員会:県政経営委員会
付託日:令和2年12月17日
議決日:令和2年12月25日
議決結果:不採択
要 旨
1.陳情の趣旨
日本政府は、2017年7月7日国連で採択され、21年1月22日に発効することが確定している核兵器禁止条約にただちに調印、批准し、唯一の被爆国として核兵器全面禁止・廃絶責務を果たすよう、総理大臣・外務大臣あてに意見書
の提出を求めます。
2.陳情の理由
核兵器禁止条約は、2017年7月7日、国連加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択され、国連創設デーの20年10月24日、発効に必要な50カ国の批准を達成し、2021年1月22日に効力を発することとなりました。
条約は前文で、「ヒバクシャの許容しがたい苦しみと被害に留意」し、「核兵器のいかなる使用も人道の原則に反する」と明記し、開発、実験、生産、保有、使用と威嚇まで、核兵器にかかわるあらゆる活動を全面的に禁止しています。「原子力兵器の撤廃」を掲げた国連総会の第1号決議(1946年1月)の実現へ、歴史的な一歩です。核兵器を違法とする初の国際条約ができることにより、自国の「安全保障」を理由に核兵器を持ち続けることは正当化できなくなります。
国連のグテレス事務総長は、条約の発効が確定したことを受け、「この条約を強く求めてきた多くの核爆発や核実験の被害者に捧げられるもの」であり、「核兵器の使用がもたらす破滅的な人道上の結末に注意の目を向けさせてきた、世界中の運動の成果」だと述べました。心と体に癒えることのない傷を抱えながら、自らの体験を語り「人類と核兵器は共存できない」と訴えてきた広島・長崎の被爆者とともに「核兵器のない世界」をめざしてきた日本と世界の市民社会、国連や各国政府の共同の力でつくった条約です。
世界が核兵器廃絶へ大きな一歩を踏み出す中、日本政府は「保有国と非保有国を分断するもの」などと、核兵器禁止条約に反対し続けています。「唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶をリードする」と言いながら、核兵器廃絶の道筋を示した核兵器禁止条約に背を向ける日本政府の姿勢は、国際的にもきびしく批判されています。世論調査では7割の国民が日本は核兵器禁止条約に参加すべきだとしています。国際社会と国民の声に応え、日本はただちに核兵器禁止条約に署名・批准し、唯一の戦争被爆国としての役割を果たすときです。
500近くの地方議会が国に核兵器禁止条約への参加を求める意見書を採択しています。栃木県においても国に対して意見書を提出していただくよう、お願いいたします。