第13号 (平成11年) 「周辺事態安全確保法」に基づく自治体への協力要請を拒否する決議を求める陳情
受理日:平成11年8月23日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成11年9月29日
議決日:平成11年10月7日
議決結果:不採択
(陳情の趣旨)
政府は先の国会において、多くの国民の危惧と反対の声を無視して「周辺事態安全確保法」を強行成立させた。これは、日本国憲法の平和原則を真っ向から踏みにじる行為である。法案成立後も平和を愛する日本国民の反対の声はもちろん、アジアの多くの人々からも日本政府の対応を憂慮する声があがっている。
同法は、安全確保という名目になっているが、協力相手国のアメリカはもちろん、国際的には、「戦争のための法律」と認識されているものである。米軍の戦争の一翼を日本政府が担い、その下請け機関として、地方自治体等を自由自在に活用するものであることは、同法九条で明らかにされている。
同法九条では、周辺事態に際し国が地方自治体の長に協力を求め(同条一項)、地方自治体と民間に協力依頼(同条第二項)できると定めている。この協力の内容については、まったく白紙で、政府が示した協力項目は例示に過ぎず、協力範囲は、政府の判断で際限なく拡大できるようになっている。
しかし一方、この規定は、あくまで国が地方自治体等に「依頼できる」というものであり、任意の協力を求める表現にとどまっており、自治体等に協力義務を課しておらず、罰則や制裁規定はないものとなっている。
したがって、自治体等には、国の協力要請、依頼を拒否する自由が存在することになる。
自治体等の戦争協力は、そのこと自体が軍事行動とみなされ、有事の際の攻撃対象となり、多くの市民に被害が及ぶことは、第二次世界大戦を初め、多くの戦争で証明済みである。国から戦争への「協力」、「依頼」が要請された場合、「戦争に協力しない」決意を明確にする『決議』をし、求められる物品、土地、給水等々を平和的に利用する条例を制定することによって、この要請を拒否し、住民の平和と安全を守るために決議されることを要請する。
(陳情事項)
「周辺事態安全確保法」の発動による協力要請があった場合、これを拒否することを決議していただくこと。