第21号 (平成28年) 子ども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整措置の廃止を求める意見書提出に関する陳情
受理日:平成28年12月8日
付託委員会:生活保健福祉委員会
付託日:平成28年12月19日
議決日:平成28年12月27日
議決結果:採択
要 旨
1 陳情の趣旨
医療保険制度における自己負担割合に関し、子どもを対象として地方自治体が実施している現物給付方式による医療費助成の取組に対して国が講じている、国民健康保険の国庫負担の減額調整措置について、別紙案のとおり、完全な廃止を要請する意見書を国に提出するよう求めます。
2 陳情の理由
我が国では、生涯未婚率の上昇や晩婚化・晩産化の進行、さらには平均寿命の延伸などにより、急速に少子高齢化が進んでいます。総人口は、出生児数の減少や死亡者数の増加等により、平成20年(2008年)の約1億2,808万人をピークに長期の人口減少過程に入り、平成72年(2060年)には約8,674万人にまで急激に減少すると見込まれており、少子化対策は、我が国における喫緊の課題となっております。
現在、医療保険制度における子どもに係る自己負担割合は、義務教育就学前は2割、義務教育就学以降は3割とされておりますが、本県では、少子化対策の一環として、未就学児までの子どもを対象とした現物給付方式による医療費助成を実施し、県内全25市町においてもそれぞれ軽減措置を講じております。
しかしながら、国は、こうした地方自治体の現物給付方式による医療費助成の取組に対して、受診者の増加に伴う医療費の増加分は、当該自治体が負担するべきものとして、国民健康保険の国庫負担を減額する措置を講じております。
この減額調整措置は、一億総活躍社会の実現に向けて少子化対策を推進する国の方針に逆行するだけでなく、地方自治体の懸命な取組を阻害する極めて不合理な措置であることから、早急な廃止を国に要望してきたところであり、本年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」には、国民健康保険の減額調整措置について見直しを含め検討し、年末までに結論を得ることが盛り込まれました。
これを受けて、厚生労働省は、先日見直しの方向性を示しましたが、見直し対象を未就学児までとし、一部負担や所得制限などの条件についても検討するとしており、その内容は減額調整措置の一部の廃止に止まっています。
本来、子ども医療費助成制度は、少子化対策の一環として、国において全ての子どもを対象に構築されるべきであり、地方自治体が実施する子どもの医療費助成に対する国民健康保険の国庫負担減額調整措置については、完全に廃止することを強く要望することから、趣旨のとおり陳情するものです。
(別紙)
子ども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整の廃止を求める意見書(案)
我が国では、生涯未婚率の上昇や晩婚化・晩産化の進行、さらには平均寿命の延伸などにより、急速に少子高齢化が進んでいる。総人口は、出生児数の減少や死亡者数の増加等により、平成20年(2008年)の約1億2,808万人をピークに長期の人口減少過程に入り、平成72年(2060年)には約8,674万人にまで減少すると見込まれており、少子化対策は、我が国における喫緊の課題となっている。
現在、医療保険制度における子どもに係る自己負担割合は、義務教育就学前は2割、義務教育就学以降は3割とされているが、本県では、少子化対策の一環として、未就学児までの子どもを対象とした現物給付方式による医療費助成を実施し、県内全25市町においてもそれぞれ軽減措置を講じている。
しかしながら、国は、こうした地方自治体の現物給付方式による医療費助成の取組に対して、受診者の増加に伴う医療費の増加分は、当該自治体が負担するべきものとして、国民健康保険の国庫負担を減額する措置を講じている。
この減額調整措置は、一億総活躍社会の実現に向けて少子化対策を推進する国の方針に逆行するだけでなく、地方自治体の懸命な取組を阻害するものであり、極めて不合理な措置である。
本来、子ども医療費助成制度は、少子化対策の一環として、国において全ての子どもを対象に構築されるべきであり、地方自治体が行う子どもの医療費助成に対する国民健康保険の国庫負担減額調整措置については、国において検討されている一部の廃止に止まらず、完全に廃止するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。