第13号 (平成28年) 「宇都宮市のLRT軌道」を県道へ敷設することに反対する陳情書
受理日:平成28年2月15日
付託委員会:県土整備委員会
付託日:平成28年2月26日
議決日:平成28年3月24日
議決結果:不採択
要 旨
私達宇都宮市民は、いな、県民は、本件・LRT導入問題は、南北に貫くJR線に対し東西の基軸となる「東西基幹公共交通」として階層性(バスとの乗り換え)のあるネットワークを構築すべく、「東西の両駅前大通り・県道へ敷設したい」としていますが、市民の移動や、物資の輸送等に支障があり、「市の在り様や道路交通・公共交通を根本から覆すことから相応しくない・必要ない・反対」としておりますので、「県道の占用」に関して慎重な審議をお願いしたく陳情いたします。
このことについて、佐藤宇都宮市長は、「LRTありき」に陥り、「東西基幹公共交通」としておきながら「全体計画」を示せずに、平成25年3月に「基本方針」を定めて、柳田大橋の渋滞対策を目的に「JR駅の東部地区を優先整備したい」として平成28年度には着工すると広言しています。
以来、市民は、「工業団地など東方の問題」と解したことや新聞の報道等で、LRT敷設は「決まっている」「反対をしても無理」等の風評によって、日頃の話題にのぼりにくくなっております。
一方、宇都宮市におけるLRTの推進状況につきましては、市民の支援等がないため、運営会社の設立等「宇都宮市の内部で処理する事項」を消化するに窮してきましたが、残る主な事項の「縦覧と審議会を経る都市計画決定」や「事業量・事業費、必要性や妥当性を証明するLRT整備事業計画書の作成」に取り組んでいます。
これらを経て、いよいよ、宇都宮市の枠を超える事項、県道の「占用」をはじめ、国士交通省への「軌道事業の特許・LRT整備事業認可申請、財務省への補助事業の採択申請」等対外の関係機関との交渉に移行する重要な時期になり、去る1月22日には、国土交通省関東運輸局へ「軌道運送高度化実施計画書」の提出がありました。
2月11日の下野新聞によりますと、国土交通省から栃木県へ、上記に伴う「県道管理者宛意見の照会」が届き、回答を検討しているとのことです。
私達市民は、路面電車の歴史がなく「路線バスで発展してきた街」の狭いながらも、貴重で重要な両駅前大通り・県道へ 階層性のある基軸・LRTを敷設し、四方八方から中心部やJR宇都宮駅へ集束する路線バスとの「不便な乗り換え」を強要する使い勝手が悪いLRTの敷設で「県道の機能を損ねる」ことに反対をしております。
なお、優先整備の東部地区については、観光地向きで座席の少ないLRTでは通勤・通学の大量移動には無理があって利用者を確保できず、渋滞解消には向かないことから、輸送力の大きい道路橋との比較検討をお願いしていることと、さらに、ぬぐえない「乗客不足による営業赤字の不安」などで、「LRT、邪魔になるので撤去を!」の声が上がると心配をしております。
そこで、本会では、「白紙撤回はまだまだ間に合う」として、別添の「宇都宮市のLRTに反対する理由と公共交通対策等の提言(提言書)」(27年7月17日宇都宮市へ提出)、「宇都宮市にLRTは必要ないとするチラシ」と「大集会開催案内チラシ」に記載の反対理由等によって、いたたまれない思いで「白紙撤回を求める大集会の開催」に取り組むこととしております。
ついては、栃木県議会におきましては、県道管理者から回答案の上程がある場合、「必要としない」とする私達市民の思いをご賢察のうえ、宇都宮市民・県民の移動や物資の輸送のため整備した県道の本旨を生かすべく、慎重な審議をいただきたく陳情いたします。