第2号 (平成27年) 特別支援学校の「設置基準」策定を国に求める陳情
受理日:平成27年5月26日
付託委員会:文教警察委員会
付託日:平成27年6月17日
議決日:平成27年6月26日
議決結果:不採択
要 旨
1.陳情の趣旨
特別支援学校の「設置基準」を策定することを求める意見書を文部科学大臣に提出してください。
2.陳情の理由
全国的に特別支援学校の児童・生徒数の増加がすすみ、在籍者数はこの10年間で3万6800人増えています(2014年文科省調査)。この背景には、特別支援学級や特別支援学校における教育への国民的な理解がすすみ、「一人ひとりに見合ったていねいな教育をしてほしい」という父母・国民の願いが広がっていることがあります。一方で学校建設はほとんどすすまず、150人規模の学校に400人以上の児童・生徒が通学しているなど、子どもたちの学ぶ権利を保障できないばかりか、様々な障がいをもつ児童・生徒のいのちと健康をも脅かしかねない状況にもなっています。
普通教室確保のために、一つの教室を薄いカーテン1枚で仕切って使うことなどが常態化し、隣のクラスの先生や子どもの声も筒抜けになり、落ち着いた授業ができなかったり、図書室や美術室、個別指導の部屋などの指導上必要な特別教室が普通教室に転用され、医療的ケアが必要な子どもと動き回る子どもが同じ空間で過ごさざるをえない状況も生まれています。トイレの数さえ足りなくなり、待ちきれなくて失敗する子もあり、子どもの自尊心を傷つけています。
全国で不足している教室が、普通教室だけで3963教室(2014年)にのぼることを文科省調査も認めています。
こういった事態の根幹にあるのが、幼稚園から小中学校、高校、大学、専門学校まですべてにある「設置基準」が特別支援学校だけにないことです。「設置基準」というのは、「学校を設置するのに必要な最低の基準」であり、設置者はこの基準の「向上を図ることに努めなければならない」とされています。小学校の「設置基準」では、12〜18学級が「標準とする」とされ、それ以上は「過大校」という扱いになり、新たな学校建設や増設が検討されます。ところが、特別支援学校では80学級を超える学校があっても、普通教室をカーテンで仕切ったり、特別教室をつぶしてしまったり、子どもと教職員に負担を強いるだけで、学校の新増設は進んでいません。
以上の理由から国に対する意見書を採択してください。
特別支援学校の「設置基準」策定を求める意見書(案)
全国的に特別支援学校の児童・生徒数の増加がすすみ、在籍者数はこの10年間で3万6800人増えています(2014年文科省調査)。この背景には、特別支援学級や特別支援学校における教育への国民的な理解がすすみ、「一人ひとりに見合ったていねいな教育をしてほしい」という父母・国民の願いが広がっていることがあります。一方で学校建設はほとんどすすまず、150人規模の学校に400人以上の児童・生徒が通学しているなど、子どもたちの学ぶ権利を保障できないばかりか、様々な障がいをもつ児童・生徒のいのちと健康をも脅かしかねない状況にもなっています。
普通教室確保のために、一つの教室を薄いカーテン1枚で仕切って使うことなどが常態化し、隣のクラスの先生や子どもの声も筒抜けになり、落ち着いた授業ができなかったり、図書室や美術室、個別指導の部屋などの指導上必要な特別教室が普通教室に転用され、医療的ケアが必要な子どもと動き回る子どもが同じ空間で過ごさざるをえない状況も生まれています。トイレの数さえ足りなくなり、待ちきれなくて失敗する子もあり、子どもの自尊心を傷つけています。
全国で不足している教室が、普通教室だけで3963教室(2014年)にのぼることを文科省調査も認めています。
こういった事態の根幹にあるのが、幼稚園から小中学校、高校、大学、専門学校まですべてにある「設置基準」が特別支援学校だけにないことです。「設置基準」というのは、「学校を設置するのに必要な最低の基準」であり、設置者はこの基準の「向上を図ることに努めなければならない」とされています。小学校の「設置基準」では、12〜18学級が「標準とする」とされ、それ以上は「過大校」という扱いになり、新たな学校建設や増設が検討されます。ところが、特別支援学校では80学級を超える学校があっても、普通教室をカーテンで仕切ったり、特別教室をつぶしてしまったり、子どもと教職員に負担を強いるだけで、学校の新増設は進んでいません。
これらの理由から、特別支援学校の「設置基準」を早急に策定することを強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
文部科学大臣 宛