第30号 (平成25年) 「『子宮頸がん検診対策の充実』を促進し、HPV予防ワクチン接種事業の一時中止を求める意見書」提出に関する陳情
受理日:平成25年11月22日
付託委員会:生活保健福祉委員会
付託日:平成25年12月3日
議決日:平成26年3月25日
議決結果:取下承認
要旨
平成25年3月、「予防接種法」改正により、4月よりHPV予防ワクチンは、法定接種となり、日本中の小学校6年生から高校1年生の女子に対して無料で提供されることとなった。
しかし当ワクチンの接種後、因果関係を否定できない持続的な疼痛など重い健康被害に苦しむ中高生が出ている。中には、1年以上の長期欠席を余儀なくされた中学生も報告された。
漸く、厚生労働省もこれらの事実を重く受け止め、「痛みの原因が不明」「診断や治療法の確立がない」ことから、当ワクチン接種に際しては、重大な副反応の危険性も明示し、「積極的推奨はしない」との見解を打ち出した。今後、半年程度で今回の重い副反応と当ワクチンの因果関係を調査するとしている。
しかしながら、今一度、当ワクチンが日本人の体質にとって、その有効性と安全性について根本的に、調査することが必要ではないか。数か月の短期調査で安易に「推奨再開」となりはしないか、疑念の残るところである。
本来、国民の健康維持、公衆衛生の促進の為の有益な予防接種事業であるならば、大いに歓迎すべきである。しかしながら、HPV予防ワクチンについては、現在のみならず将来にわたって子供達に健康被害の生じることが懸念される。心身共に未成熟な子供たちに今後いかなる影響を及ぼすのか、特に親達にとっては不安な重大問題である。
従って、以下のことを政府関係機関に求めるものである。
1 子宮頸がんは検診で100%近く発見でき、完治も可能である。検診の重要性を謳い、低迷する検診率を高めるための抜本的な対策こそ取り組むべきこと。
2 HPV予防ワクチン接種に対しては、まず、「当ワクチン接種の一時中止」を含む接種事業の抜本的な見直しをすること。
3 特に、子供達にとって”子宮”は、将来の人生における妊娠・出産などに関わる問題だけに、短期的安全性だけではなく長期的安全性も保証されるものであるべきである。従って、ワクチンの有効性、安全性等については「長期疫学調査」を実施して国民の納得できるものにすべきこと。
4 当ワクチンを接種した全ての人に対する健康被害調査の早期着手をすること。
以上の理由で、貴議会におかれましては、政府に「『子宮頸がん検診対策の充実』を促進し、HPV予防ワクチン接種事業の一時中止を求める意見書」を提出して下さるよう陳情するものである。