第19号 (平成24年) 「調理員増員費」(県単補助事業)継続についての陳情
受理日:平成24年9月18日
付託委員会:生活保健福祉委員会
付託日:平成24年9月27日
議決日:平成25年3月22日
議決結果:取下承認
要旨
陳情趣旨
S56年度から実施されてきた「調理員増員費」は、定員90名以上の民間保育園で3歳未満児が27名以上在園している保育園に対して調理員1名を増員する栃木県独自の補助事業です。
すなわち「調理員増員費」は、子育てと就労の両立支援に努力している保育園、乳児からの待機児童を積極的に受け入れている保育園、給食を業者委託せずに自園給食を努力している保育園に対する補助事業です。
県内の民間保育園では、この「調理員増員費」を支えに、栄養バランスを考慮し、食材ならびに調味料などの安心安全に配慮した昼食とおやつ作り、生後間もない乳児の初めての食事としての離乳食、体調のすぐれない子どもへの配慮した食事、そして近年、増加傾向にあるアレルギーを持つ子どもへの対応食など、給食内容の充実に努めています。
保育園における給食は、今日「食育」において重視されている食文化を子どもたちへ手渡す仕事を担い、子どもの心身を成長発達させる保育の根底を支える大事な柱として位置づいています。季節の献立、祝日や行事日の献立、箸や器のあつかい方、食事の行儀・作法、食物生産者への感謝、命への畏敬の念などを享受し、友だちや保育士たちと一緒に食事することで子どもたちはその心に安心感、幸福感を育むことができるのです。
ところが県は「とちぎ未来開拓プログラム」(H21年)において、この実績ある「調理員増員費」をH25年に廃止するという「正案」をまとめました。
私たち保育園長、保育士、栄養士、調理員、看護師、ならびに保護者は、「とちぎ未来開拓プログラム」の「試案」の段階で、実績ある保育園の給食内容を後退させてしまう「調理員増員費」の廃止について大きな不安を抱き、県知事、県当局ならびに県議会に対してパブリックコメント、要望書、公開質問状の提出を行い、県単補助事業の継続と拡充についての声明を発表し、強く反対してきました。
県による廃止の理由は、「財政難である」「調理員増員費は他県では実施していない」との説明です。
「調理員増員費」が栃木県の財政を圧迫してきた原因なのでしょうか。他県で実施していないことが廃止の理由ならば「子育て環境日本一」を掲げる自治体としての目標はどうなるのでしょうか。「調理員増員費」は、県内の公立保育園の給食内容の拡充にも相当の好影響を与えています。県内のすべての保育園の保育園給食を拡充するその推進役を果たしてきている重要な事業であるといえます。「調理員増員費」の廃止により、自園給食から給食の外部委託、外部搬入へと移行する保育園が増加することも予想され、保育園給食と保育の質の低下が懸念されます。
とちぎの子どもたちの心身を豊かに育んでいる「調理員増員費」は廃止してはなりません。
子どもはとちぎの未来です。
子どもはとちぎの希望です。
私たち保育園長、保育士、栄養士、調理員、看護師、ならびに保護者は、栃木県独自の保育、子育て支援環境の拡充を望んでいます。
この趣旨に賛同する2万余名の県民の署名簿を添えて陳情を行います。
陳情事項
「調理員増員費」(県単補助事業)を継続してください。