第9号 (平成23年) 混合型血管奇形の難病指定を求める意見書に関する陳情
受理日:平成23年11月29日
付託委員会:生活保健福祉委員会
付託日:平成23年12月6日
議決日:平成24年3月23日
議決結果:採択
要旨
1.陳情の趣旨
混合型血管奇形の難病指定を求めるよう国に意見書を提出するよう求める。
2.陳情の理由
(1) 混合型血管奇形は現在、国の難治性疾患克服研究事業の調査研究対象疾患(難病指定)に指定されておらず、医師会内ですら認知度も極めて低いため、治療法の確立はおろか、病気自体の研究すら、ほぼ行われておらず、原因・治療方法・患者数・発生率等は何一つわかっておりません。病気をきちんと診断し、治療まで総合的に行える医師並びに病院が全国的に極めて少ないため、体の異変を訴えながらもきちんとした病名までたどり着かず、経過観察のまま苦しんでいる患者が数多く存在するという現状です。そのため、現在この病気に苦しむ患者の心身における健康状態の、ますますの悪化が危惧されています。
よって、混合型血管奇形については、早急に認知度を高め、研究および治療法の確立が必要であり、趣旨のとおり陳情するものです。
(2) 患者の症状は日を追う毎に、悪化していきます。病気の研究および治療法の確立は緊急をようする状態です。そのために国の難治性疾患克服研究事業の調査研究対象疾患(難病指定)に指定される事が必要であります。
私の娘(9歳、小学3年生)は、左頬部の筋肉内から外側にかけてと、肺の入り口部分に、「混合型血管奇形」があります。
数々の病院を回り、北海道札幌市の病院にて、ようやく病名の診断を受けるまで、実に6年半の歳月を費やしました。そしてこの9年間に7度の手術を経験してまいりました。
関東地方・東北地方には専門医が居ないため、検査や手術のたびに札幌市の病院まで足を運んでおります。それでも現在の日本の医療では完治は不可能で、また処方する薬もありません。
この先もいつまで続くか分からない治療に耐え、一生病気と向き合っていかなくてはならないという現状です。
今後、身体の成長に伴ってどのような影響が現れるかは全く予想ができません。
病気で苦しむわが子を助けたいという家族の願いで、また同じ病気で苦しんでいる方々や、同じ病気を持って生まれてくる子供たちのためにも一刻も早い研究への着手を切望してやみません。
(3) 国策として、一刻も早くこの病気の研究が行われ、原因解明と治療方法が確立されるためには、まず一地域でも多くの自治体のご理解とご協力が必要不可欠であります。
2007年8月、岐阜県におきまして「混合型血管奇形の難病指定を求める会」が発足し、2011年11月署名提出総数は1,044,383筆にのぼり、同月14日は、第3回目となる厚生労働省への「混合型血管奇形」の難病指定を求める請願署名を提出してまいりました。
さらには、岐阜県議会をはじめ、福岡・福島・北海道・大阪・山形・愛知・山口・徳島の9道府県議会や、栃木県日光市議会他、全国の79市町村議会におきまして多くのご理解とご賛同をいただき「混合型血管奇形」の難病指定を求める意見書が可決されております。
現在栃木県での患者は娘一人ですが、2009年5月に栃木県支部を立ち上げ、多くの方々に娘の病気の実態を知っていただきたく署名へのご協力をお願いしているところです。
つきましては、貴議会におかれましても患者や家族のおかれている立場および心情をご理解いただき、なにとぞ今議会におきまして国に対する「混合型血管奇形」の難病指定を求める意見書の提出が実現されますようお願い申し上げます。