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請願・陳情 議決結果一覧

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請願・陳情名

第6号 (平成23年) 取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の速やかな実現を推進する決議・意見書採択の陳情

受理年月日

受理日:平成23年11月21日

付託委員会

付託委員会:文教警察委員会
付託日:平成23年12月6日

紹介議員

議決結果

議決日:平成24年10月17日
議決結果:取下承認

内容

要旨
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、日本弁護士連合会では、密室での違法・不当な取調べと虚偽の自白によるえん罪を防ぐために、また裁判員制度の導入にあたって裁判員となる市民の判断のしやすい裁判を実現するために、取調べを可視化(取調べの全過程を録画)するように求めてきました。
 ご承知のとおり、平成21年の総選挙により、取調べの可視化をマニフェストに掲げた民主党政権が誕生しました。しかし、平成23年6月現在においても、取調べの可視化法案が提出される目処は立っていません。
 他方、全国の都道府県や市町村の議会においては、これまで取調べの可視化を求める決議や意見書の採択が相次いでなされており、日本弁護士会が把握しているだけでも、その数は本年3月時点で150を超えています。
 このような各自治体での決議や意見書の採択が、国政レベルでも大きな影響を持つことは明らかです。また、県内の自治体でも決議を頂いているところです。
 つきましては、貴議会でも、下記のとおり、取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の速やかな実現を推進する決議や意見書が是非とも採択されるよう、陳情する次第です。
                                   敬具
                記
1 陳情内容
 「速やかな取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の実現を推進する決議または地方自治法第99条に基づく意見書の採択
 なお、意見書の場合の提出先としましては、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣を要望いたします。

2 陳情の理由
 以下、取調べの可視化(取調べの全過程の録画)を実現することの意義について改めてご説明申し上げます。
 ・現在、被疑者の取調べは「密室」で行われている。
 日本の刑事司法制度においては、捜査段階における被疑者の取調べは、弁護士の立会いを排除し、外部からの連絡を遮断されたいわゆる「密室」において行われています。このため、捜査官が供述者を威圧したり、利益誘導したりといった違法・不当な取調べが行われることがあります。その結果、供述者が意に反する供述を強いられたり、供述と食い違う調書が作成されたりといったことが少なくありません。
 ・「密室」での取調べは「裁判の長期化」や「えん罪」の原因になっている。
 公判において、供述者が「脅されて調書に署名させられた」「言ってもいないことを調書に書かれた」と主張しても、取調べ状況を客観的に証明する手段に乏しいため、弁護人・検察官双方の主張が不毛な水掛け論に終始することが多く、裁判の長期化やえん罪の深刻な原因となっています。
 最近でも、
 1 強引な取調べによって虚偽自白に追い込まれ、無期懲役の判決を受けて17年半もの間、勾留、受刑を強いられたが、DNA型鑑定の結果無罪であることが明らかになった足利幼女殺害事件(足利事件 再審無罪確定)
 2 被告人12名への無罪判決の中で「警察による押し付けや誘導のような、追及的・強圧的な取調べがあったことが強く疑われ、自白の信用性は認められない」と指摘された鹿児島選挙違反事件(志布志事件 約3年半の間に審理回数54回 無罪確定)
 3 逮捕当初は否認したものの、強圧的な取調べで虚偽自白がなされた結果実刑判決が確定したが、服役後に真犯人が現れたことで元被告人の無実が明らかになった富山県下での誤認逮捕事件(氷見事件 再審無罪確定)
など、裁判が長期化した事例や違法・不当な取調べによるえん罪事件が数多く発生しております。
 ・取調べの全過程を録画(可視化)すべきである。
取調室の中で何が行われたのかについて、はっきりした分かりやすい証拠を用意することはきわめて簡単です。取調べの最初から最後まで(取調べの全過程)を録画(可視化)しておけばよいのです。そうすれば、被告人と捜査官の言い分が違っても、録画したものを再生すれば容易に適正な判定を下すことができるでしょう。これは誰が考えても明らかなことです。
 また、裁判員制度が平成21年5月から行われています。取調べの可視化(取調べの全過程の録画)をしないまま、裁判員となった多くの市民が、これまでと同様の不毛な水掛け論に延々と付き合うことは不可能です。取調べの全過程の録画が認められれば、取調べの様子を事後に検証することが容易になり、裁判員も判断しやすくなります。
 ・検察庁・警察庁による取調べの一部録画・録音
 また、検察庁・警察庁は、取調べの一部録画試行を既に実施しており、全国地方検察庁や警察本部の取調室には録画機器が設置されております。そのため、取調べの全過程を録画することは容易に可能です。
 ・一部録画・録音の問題点
 取調べの一部のみを、捜査官の裁量によって録画・録音するだけでは、捜査側に都合のよい部分だけが録画・録音されかねず、取調べの実態についての評価を誤らせる危険があります。
 検察官による取調べと警察官による取調べの最初から最後まで録画・録音する取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の実現が、是非とも必要なのです。

 以上の趣旨をご理解の上、取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の速やかな実現を推進する決議・意見書の採択が貴議会においてもなされますことを、陳情いたします。
                                   以上

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