第53号 (平成22年) 2011年度の年金確保及び生活実態に見合う年金引き上げを求める意見書の採択を求める陳情
受理日:平成22年11月29日
付託委員会:県政経営委員会
付託日:平成22年12月6日
議決日:平成23年3月15日
議決結果:不採択
要旨
1.陳情の趣旨
年金に関する事項について議会議決の採択及びその趣旨の意見書の以下の機関への提出を求める陳情
「陳情事項」
@2010年の「消費者物価指数」に関わらず、高齢者の生活実態にかんがみ2011年度年金の減額改定を行わないこと。
A高齢者の生活実態に見合う年金引き上げを実施すること。
B無年金者・低年金者に「生活支援金」を支給すること。
「意見書提出を求める機関」
(1)内閣総理大臣 (2)厚生労働大臣 (3)衆議院議長 (4)参議院議長
2.陳情の理由
高齢者の所在不明が次々と報告され、大きな社会問題になっています。背景に高齢者の貧困があることが指摘されています。この10年間、年金は3度引下げられました。他方、公的年金等控除の縮小・老齢者控除の廃止・低所得高齢者の住民税非課税措置廃止などに加えて、医療・介護保険料の上昇などが加わり可処分所得が激減しています。とりわけ無年金者・低年金者の生活は厳しく安心して老後がおくることが出来なくなっています。憲法25条で保障された最低限度の生活を保障することは緊急の課題になっています。
昨年は、消費者物価指数が一昨年度に比べ1.3%低下しましたが、07年度から3年間で消費者物価指数が2%近く上がったにも関わらず年金額が据え置かれたこともあり2010年度の年金額は据え置かれました。しかし、2010年の消費者物価は低下傾向にあり、2011年度の年金額が引き下げられることが懸念されます。しかし、消費者物価指数は、総務省の2009年1月30日調査資料でもテレビ(薄型)20.9%、ノートパソコン38.7%、パソコン26.2%、カメラ29.5%下落など高齢者の日常生活に関わらない諸製品の物価の大幅下落などの影響で、高齢者にとって消費者物価指数は、不当に低く表示されています。
2011年度、政府が年金の減額改定を強行すれば、高齢者の生活は、更に圧迫されることになり、内需はますます冷え込み、地域経済や自治体財政にも深刻な影響をもたらすことは明らかです。
つきましては、これ以上の生活圧迫を進める年金減額改定を回避し、高齢者の生活を維持改善するために、貴議会が意見書を採択し、上記国の機関に提出していただくようお願いいたします。