第22号 (平成20年) 控除対象外消費税を解消するための意見書提出に関する請願
受理日:平成20年2月21日
付託委員会:生活保健福祉委員会
付託日:平成20年3月5日
小林幹夫
議決日:平成20年3月21日
議決結果:採択
1 請願の趣旨
県民の願いは県民福祉の充実、特に医療・介護サービスが良質で効率的に受けられる地域社会の実現であります。しかしながら、県内においては、医療機関の経営悪化により地域医療崩壊の危機に瀕しており、地域医療を確保するためには、経営悪化の要因の一つであるサービス事業者に不合理な負担を強いる控除対象外消費税を早急に解消することが喫緊の重要課題であります。
つきましては、地方自治法第99条による意見書を国会及び関係行政庁に提出していただきたく請願いたします。
2 請願の理由
県民の願いは、県民福祉の充実、特に医療・介護サービスが良質で効率的に受けられる地域社会の実現であり、その要請も少子・高齢化の進展に伴い一層強いものになっています。
しかしながら、長期にわたる医療費の抑制策など医療・介護を取り巻く環境が厳しさを増す中で、消費税非課税から生じる不合理な控除対象外消費税が重くのしかかっており、懸命の自助努力にもかかわらず、サービス事業者の経営は年々厳しさを増しております。
一例として、県北の中核病院である塩谷総合病院が収益減による経営難を招き、JA栃木厚生連が病院経営から撤退するとの報道がなされているように、県内において、地域医療の崩壊の危機が広がっております。
地域医療を確保し、県民の健康を守るためには、事業者に不合理な負担を強いる控除対象外消費税を早急に解消することが喫緊の重要課題であります。
そこで、医療・介護に対する消費税の非課税制度を、ゼロ税率ないし軽減税率による課税制度に改めること、さらには、課税制度を改めるまでの緊急措置として、機器、建物等の消費税課税仕入対象資産について、税額控除または特別償却を認める措置を講じることが要請されるところである。
ついては、別添の意見書(案)のとおり、地方自治法第99条による意見書を国会及び関係行政庁へ提出していただきたく請願します。
・別添
控除対象外消費税を解消することを求める意見書(案)
消費税においては、消費に直接負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないもののほか、社会保険診療報酬、法定介護、社会福祉事業など、必要最小限の取引について政策的配慮から課税しないこととされている。
このため、例えば社会保険診療報酬についてみると、医療機関の仕入れに係る消費税額(医薬品・医療材料・医療器具等の消費税額)のうち、社会保険診療報酬に係る部分は仕入税額控除が適用されずに、医療機関が一応負担し、後に社会保険診療報酬に反映して回収されることになっている。
しかし、この負担分は社会保険診療報酬に十分反映されているとはいえず、その一部は医療機関が差額を負担したままとなっている状況である。
このような中にあって、関係機関が医療機器や薬剤、業務用建物を取得する際に負担する消費税額は多額となっており、経営や業務の近代化への隘路となっている。
これは医療機関や薬局のみならず、介護事業者や福祉事業者にも同様の問題が指摘されている。
よって、国会及び政府におかれては、今後、消費税を含めた税制の抜本的改革について検討される見通しであるが、その際には、消費税の非課税取引のあり方についても、関係業界の意見を十分踏まえ、適切な見直しをされるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年 月 日
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 様
衆議院議長
参議院議長
栃木県議会議長