第7号 (平成19年) とちぎの元気な森づくり県民税(仮称)の導入に関する請願
受理日:平成19年6月7日
付託委員会:農林環境委員会
付託日:平成19年6月18日
野村節子
議決日:平成19年6月26日
議決結果:不採択
栃木県は県土の55%が森林であり、栃木に暮らす私たちは、水や空気がきれいなど自然環境の恩恵にあずかっております。しかし、近年他の県と同様、森林の手入れが行き届かず、荒廃が進んでいることがあきらかになりました。その結果、洪水や渇水の問題、熊やイノシシなどによる農作物への被害にまで影響がおよんでいることは、放置できない問題であり、県民の多くが心配し、対策を講ずる必要を感じていることと思います。
だからといって、栃木県が、県民協働で森林を整備していく財源として、あらたな税制度を導入することに即賛成とはいえません。
「国がやるのを待っていられない」、「全国ですでに16県が森林環境税を導入しているから」といって、使途を限った目的税を創設することには、疑問があります。
森林対策は県民の安全な生活を守る立場から、一般財政でまかなうべきではないでしょうか。県の財政がきびしいかもしれませんが、無駄遣いや急がずともよいものはないか、予算をしっかり見極めていただきたいとおもいます。
全国で一番早く導入した高知県では、県民の理解をえられるよう税制定まで2年間、県民のアンケート調査や森林とともに培われた「木の文化」を見つめなおし、暮らしに生かし、将来へ引き継いでいこうという県の姿勢を明らかにしたと聞いています。
栃木県がすすめようとしている「とちぎの元気な森づくり、森を育む人づくり」の内容は、県民の理解と協働なしにはできないものです。少なくとも来年度実施という結論ありきの性急な決定をしないでいただきたいものです。
この4月の選挙前に私たちは、予定候補者の方にアンケートのお願いをしたところ8人中、7人が税導入に賛成、700円の金額は妥当であるとの回答をいただきました。選挙中に森林環境税が争点にもならず、県民の関心も高まっていないのではないでしょうか。新たに選挙で選ばれた議員の皆さまには、新たな県民税の導入を急いで結論を出さずに、慎重な審議をしてくださるよう、つよくもとめます。