第89号 (平成18年) 要望(監査委員制度の改革について)
受理日:平成18年12月26日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成19年3月1日
議決日:平成19年3月9日
議決結果:不採択
陳情趣旨
去る平成18年12月9日に仙台市で開催された北海道・東北オンブズネットワーク主催の市民フォーラム「検証・監査委員」において、添付のアピールを採択しましたのでご案内申し上げます。
アピールの中では監査委員制度の改革要求事項を3点掲げておりますが、貴自治体におかれましても、まず以下の改革の実行についてご対応くださいますようお願い申し上げます。
@議選委員の数を1名とする条例改正を行うこと。
A監査委員の選任に際して公募やパブリックコメントを求めるなど 住民の意見が反映される制度を構築すること。
アピール
〜よりよい監査を求めて〜
2006年12月9日、私たちは仙台弁護士会館において、第29回北海道・東北市民オンブズマンネットワーク仙台例会・市民フォーラム「検証監査委員の仕事」を開催し、北海道及び青森、岩手、宮城、山形、福島、新潟、栃木の各県から、各地のオンブズマンのメンバー、一般市民等が参加しました。
フォーラムでは、北海道・東北市民オンブズマンネットワークの各道県市における監査委員及び監査の実情が報告され、監査委員の構成として議員が半数(2名)を占める自治体が多いことや識見委員の中には行政OBが多いこと、定期ないし随時監査、財政援助団体等監査において政務調査費に関する実質的監査はなされていないこと、住民監査請求における監査についても適正な監査がなされたとは言い難いことなどが指摘され、その背景には監査委員の独立性が弱いこと、専門的能力が不足していること、前例踏襲といった「お役所的発想」が見受けられること、などといった点が示されました。
一方、現行制度下においても、監査委員は「その気になれぱ」何でもやれることが神奈川県茅ヶ崎市の実例をもとに提示されました。また、住民監査請求についても、函館市、岩手県、盛岡市、米沢市等において、一定程度踏み込んだ監査がなされた実例も紹介されました。
このフォーラムを通じて確認できたことを踏まえ、私たちは、監査委員の独立性・中立性・専門性を確保してよりよい監査を実現するために、各自治体に以下の改革を要求します。
1 道県、政令市、人口25万人以上の市においては、議会選出の監査委員(議選委員)を1名に減らすこと。将来的には、地方自治法の改正による議選委員制度の廃止をめざすこと。
2 監査委員の識見委員には行政OB以外の人を選任すること。
3 監査委員事務局の専門性を高めるため、人員、体制等を強化すること。