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請願・陳情 議決結果一覧

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請願・陳情名

第79号 (平成18年) 出資法の上限金利の引下げを求める意見書の提出を求める陳情

受理年月日

受理日:平成18年7月24日

付託委員会

付託委員会:経済企業委員会
付託日:平成18年9月29日

紹介議員

議決結果

議決日:平成18年10月10日
議決結果:採択

内容

1.陳情の要旨
 国民生活の安定を実現し、また依然として減少しない多重債務問題の解決を図るため、消費者金融等の高金利を容認する出資法の上限金利の引き下げを求める「意見書」を貴議会において採択し、衆議院及び参議院並びに関係各省庁へ提出されたい。
2.陳情の理由
(1)現在の市中貸金業者の貸付金利は、市場金利に対しあまりにも高利であり、一部の善良な国民生活者にとって大きな負担となっていること
(2)高金利に苦しみ、経済的に破綻して、自己破産・債務整理をおこなう国民の数は、依然として高水準にあること
(3)日本の金利規正法である、利息制限法の制限金利(最高年20%)、 出資法の上限金利(年29.2%)、日掛金融業者の特例金利(年54.75%) のそれぞれの規制は、現在の超低金利時代に、金利規範としての合理性を有せず、早急な金利引き下げが必要であること

 秩序ある経済社会を実現し、もって国民生活の安寧を図るため、陳情の要旨記載の採択を求めます。

(出資法の上限金利の引き下げを求める趣意書)
1.平成16年の破産申立件数は、全国で22万261人に達し、この内、宇都宮地方裁判所における破産申立件数は、2,641件を数えます。破産の大半は個人破産であることから、平成17年1月1日現在の栃木県の人口(201万6,196人)と比較すると、実に1年間に県民の約0.13%の人が破産申立てをしていることになります。この傾向が継続すれば、今後10年間に県民100人のうち、約1.3人が新たに破産申立者となり、また、経済活動を行っている労働者世代だけを対象とすると、この数字はさらに上昇するものと考えられます。加えて、任意整理や民事再生を行う人も含めますと相当割合の人が債務整理を行わざるを得ない多重債務状況に陥ることが懸念されます。
2.警察庁の統計によれば、経済・生活苦を理由として自殺する人の数は、平成2年には1,272人でしたが、平成16年には7,947人まで激増しています。同年間を比較すると約6倍の増加となっています。これら多重債務者や経済的な事情による自殺者の増加は、クレジット・サラ金・商工ローン業者等による、利用者の支払能力を無視した過剰融資や返済困難に陥った多重債務者に対する過酷な督促・取立が根元的な要因であると考えられます。
3.現在の公定歩合が年0.1%、銀行の貸出約定平均金利が年2%以下、銀行の普通預金金利が年0.001%という超低金利時代にあって、サラ金・商工ローン・クレジットカードのキャッシングの金利は、年25%〜29.2%と超高金利となっています。
4.クレジット・サラ金・商工ローン等が、高金利で営業ができるのは、年15〜20%を制限金利として定めている利息制限法には罰則規定がなく、刑罰が科される出資法の上限金利が年29.2%となっている、いわゆるグレーゾーンが存在しているからです。クレジット・サラ金・商工ローンの高金利を引き下げ、市民が安全に生活できる消費者信用市場を構築し、多重債務問題を抜本的に解決するためには、出資法の上限金利を利息制限法の制限金利まで早急に引き下げることが不可欠であり、また、利息制限法は国民の生活を守るために極めて重要な法律であり、その例外を定める貸金業規制法第43条のみなし弁済規定は、早急に廃止すべきです。また、現在の低金利時代を考えれば、利息制限法の制限金利も高金利であると言わざるを得ません。利息制限法の制限金利(年15%−20%)は、第二次大戦後の混乱期に、金利の上昇に伴って国民(債務者)を保護するために昭和29年に利息制限法の金利を引き下げる改正が行われました。我が国の金融情勢に応じ、社会実態や市場金利に見合った利息にしていく必要があります。
5.出資法の特例規定により年54.75パーセントという超高金利を取得することが許されている日賦貸金業者(日掛け金融)による被害も全国的に多発しています。また、電話加入権も実質的な財産的価値を失っており、電話担保金融の特例を認める必要性もなくなったことから、日賦貸金業者や電話担保金融の特例も廃止すべきです。
6.今日、大手消費者金融会社6社だけで、口座数1,300万口座、1口当たり平均の与信残高は53万円にも達しています。これは労働者の4人に1人が消費者金融から借り入れをし、利息だけで毎月1万1,500円を返済している計算になります。多くの利用者が毎月の利息だけしか支払うことができず、年々借金を増加させています。また、中小企業経営者は年20%を超える金利で借入をすると確実に破綻すると言われています。利用者の多くはこうした借金の故に連帯保証人や家族を巻き込み、ついには自殺・蒸発・退職・離婚・凶悪犯罪に至るなど、生活の破綻に陥っています。今日のホームレス問題や社会保障費の増加問題も多重債務問題と無縁ではありません。今秋の臨時国会に出資法改正案が提出されると報道されています。
 また、出資法の上限金利に利息制限法を引き下げることも検討されているとも報道されています。速やかに、健全な金利政策が実現され、市民が安心して暮らせる社会を構築するため、何卒、趣意をご理解頂き、ご協力の程お願い申し上げます。

     (出資法の上限金利の引き下げを求める意見書(案))

 平成16年の自己破産申立件数は、21万人を超えており、滞在的な破産予備軍に至っては、100万人とも200万人とも言われている。また、警察庁の統計によれば平成16年中に約8千人の人々が経済的な理由で自殺しており、平成2年と比較すると実に約6倍となっている。
 これら破産、自殺の直接の原因となっていると思われる多重債務問題の原因のひとつに、貸金業者の高金利による過剰融資が挙げられるが、普通預金金利が年0.001%、公定歩合が年0.1%という超低金利のなか、出資法の年29.2%という上限金利は大変な高利であり、明らかに市場において合理性を欠くものである。
 さらに、出資法の特例規定により年54.75%という超高金利を適用することが許されている日賦貸金業者(日掛け金融)による被害も全国的に多発しており、また、電話加入権も実質的な財産価値を失っており、電話担保金融の特例を認める必要もなくなっている。
 国におかれては、国民生活における不安を解消し、その安定を図るため、下記事項について早急に実施されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
                記
1.出資法第5条の上限金利を、利息制限法第1条の制限金利まで引き下げること
2.将来、利息制限法の制限金利を、市場金利に見合った利率まで引き下げること
3.貸金業の規制等に関する法律第43条のみなし弁済規定を廃止すること
4.出資法に定める日賦貸金業者及び電話担保金融に対する特例金利を廃止すること

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