第72号 (平成18年) 住民のくらしを守り、安全・安心の公共サービス拡充を求める陳情
受理日:平成18年2月20日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成18年3月3日
議決日:平成18年3月20日
議決結果:不採択
1.請願の趣旨
(1)貴議会が、県行政に対し県民サービスの維持・向上と公的責任を全うし、さらに地域経済を守り発展させる立場から指定管理者制度の導入や民間委託、公務員の賃金削減や労働条件悪化、人員の削減などを行わないように働きかけること。
(2)下記のことを求める意見書を国に提出してください。
@住民のくらしや安全に関わる国や自治体の責任を全うするため、公共サービスの民間開放を安易に行わないこと。
A画一的な公務員の削減は行わず、公共サービスの改善や水準維持のため、必要な要員を確保すること。
B地方交付税の削減など、地方切り捨ての行財政「改革」は行わないこと。
2.陳情の理由
小泉内閣は、「小さな政府」と称して、公共サービスの民間開放と公務員減らしを進めています。昨年末に閣議決定された「行財政改革の重要方針」では、国の歳出削減を目標にした9つの「改革」課題をあげ、これにもとづいた「行政改革推進法案(仮称)」の今通常国会への上程をめざしています。
「重要方針」では、国、地方の公務員の大幅な「純減」をはじめ、いっそうの規制緩和や公務の民間開放をあげています。しかし、社会問題に発展した「耐震強度偽装事件」は、効率ばかりを優先させた建築確認の規制緩和や民間開放が招いたものであり、「官から民へ」の「改革」の方向に、改めて疑問を投げかけています。
こうしたもとで、「栃木県行財政改革大綱(素案)」は、「県行政を取り巻く環境」において、県が「自らが主体となって公共サービスの多くを提供していく従来の手法は限界に来ている」と規定し「時代にふさわしい行政体制の整備を図っていく」としている。そして「行政は地域経営のプロデューサー・コーディネーターとしての機能へと役割を重点化していく」との考えを示しています。私たちは、こうした県の姿勢が、本来県民が求め・期待するものとは大きな乖離があると考えざるを得ません。それは、憲法で定められた地方自治の役割、地方自治法に基づく、自治体の本旨は住民の福祉向上という原則に反するものではないかと考えるからです。
県自身が行う県民への世論調査でも、ここ何年にも渡り、高齢者対策や医療対策、教育の充実などが行政に求める施策の上位を占めている現状からしても、国による国民サービス切り捨ての防波堤になることを県民が強く願っていることは明らかです。
以上により、陳情します。