第59号 (平成17年) 要望(喫煙者を禁煙に導く環境づくりや受動喫煙対策について)
受理日:平成17年6月8日
付託委員会:厚生環境委員会
付託日:平成17年9月29日
議決日:平成17年10月7日
議決結果:採択
平成15年5月1日より健康増進法が施行され、公共の場・職場においては受動喫煙対策に取り組まなければならなくなりました。
ご了知の如く、喫煙は、がん・脳血管疾患・呼吸器疾患をはじめ多くの疾患の危険因子であることから、県民の健康の維持増進を図るためには、特に児童・生徒を対象とした未成年者の禁煙の徹底が大切であります。そのためには、広く社会に向けて煙草が如何に健康への悪影響が大きいか等の啓蒙が重要であります。
栃木県医師会は、県民の健康と生命を守らなければならない社会的な使命から、「喫煙しない社会」の実現を目指して、各種の禁煙推進運動を積極的に展開しております。
よって、県においては、時代を担う子供や非喫煙者を守るため、早期に喫煙者を禁煙に導く環境づくりや受動喫煙に対する対策を講じられますよう、下記のことにつきまして特段のご尽力賜りますよう要望いたします。
記
【禁煙活動推進方針】
1.「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」は、平成17年2月27日に発効した。本条約には、たばこ価格(たばこ税)の引き上げ(第6条)、受動喫煙の防止(第8条)、たばこの警告表示の強化(第11条)などの規定がある。これらの対策を誠実に実行することが、本条約の締約国の一員としてのわが国に求められている。
2.わが国の喫煙は低下傾向にあるが、諸外国に比して、依然として高い水準にある。たばこ対策としては、喫煙が健康に及ぼす悪影響について、たばこパッケージの警告表示を文字表示するだけでなく、図や写真などで具体的にわかりやすくはっきりと明示して知識の普及を図ることはもちろんのこと、受動喫煙の防止、あるいは未成年者の喫煙防止のために禁煙教育の推進、自動販売機に対する規制の強化などが重要である。
3.世界保健機構(WHO)からも示されているとおり、たばこ価格の引き上げは、たばこの消費、とくに未成年者の消費を減少させるための最も有効で、かつ費用対効果の高い方策である。
4.たばこの価格を2倍にした場合には、喫煙者が2〜3割減少することが分かっている。従って、たばこによる健康被害を被る人が減少するだけでなく、たばこの売り上げ総額は増加するので、国、地方行政の税収も増えることになり、一石何鳥もの効果が得られることになる。国民の健康を守る立場から、たばこ価格の大幅な引き上げを実現するよう強く要望する。併せて、当該税収を国家の健康のための施策に充てるよう強く要望する