第57号 (平成17年) 「地域経済の活性化等を求める」地方議会意見書の採択および政府への提出に関する陳情
受理日:平成17年5月25日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成17年6月8日
議決日:平成17年10月7日
議決結果:取下承認
【趣旨】
2004年の経済成長率は実質3%といわれておりますが、家計部門における景気回復の実感は薄いのが実情です。回復したとはいえ未だ全国平均の失業率は4%と高水準であり、とくに地方では雇用の創出について抜本的対策を進める必要があります。
地場産業においては、人事院勧告による公務員賃金が指標的賃金となっており、それが企業規模による賃金格差を是正する機能を保っております。
現在、地域格差を公務員賃金に適応させる給与制度導入が検討されており、もし一方的に地方で働く公務員賃金の引き下げが行われるならば、地方の指標的賃金の低下により地場産業で働く労働者の所得の低下が生まれ、その結果、消費低迷をもたらし、さらに地域経済は冷え込み中央と地方の経済格差をますます拡大させます。
私たちは地域経済活性化のためにも地方から声をあげる必要性があります。
そして、私たちの代表である貴議会において「地域経済と雇用を優先した予算編成と公務員賃金の見直しに関して十分な配慮」を議論して頂くことを要請します。
つきましては、貴議会において政府に対し、「地域経済の活性化等を求める意見書」を採択(提出)して頂くようお願いいたします。
【意見書案】
2005年 月 日
内閣総理大臣
小 泉 純一郎 様
議長
地域経済の活性化等を求める意見書
地域経済は、依然として疲弊し、地域間格差がますます拡大しようとしています。今必要なのは雇用の維持・創出・失業者の支援の抜本的強化などの政策を進め、地域経済を活性化することです。
しかし政府は、財政再建を最優先した歳出削減をめざして、財政負担の地方への転嫁や企業や国民に負担増となる社会保障制度の見直しを行い、地方における公務員賃金も一方的に引き下げようとしています。こうした政策は、地域格差を一層拡大するものに他なりません。
仮に地域における公務員賃金の一方的な引き下げが行われるなら、公共サービスの低下を招き、地域の民間企業や団体組織で働く労働者に悪影響を与え、地域経済を疲弊させることが必至です。勤労家計の消費低迷により、地域経済はスパイラル的な停滞と格差の拡大を被ることになりかねません。
貴職におかれましては、こうした事情を御理解いただき、@労働基本権を制約されている公務員賃金の見直しについては、十分な労使協議を行うこと、A雇用の安定と格差解消のための積極的施策を講じ地域経済の活性化を図ること、などの実現に尽力されるよう強く要請するものです。
(以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出するものです)