第38号 (平成16年) 定住外国人無年金者の救済に関する緊急要望
受理日:平成16年8月10日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成16年9月22日
議決日:平成16年12月27日
議決結果:不採択
定住外国人は、82年の国籍要件の撤廃によって年金の強制適用を受けることになり、年金保険料で日本人高齢者を養いながら無年金状態の親も養うという二重の負担を強いられています。また、定住外国人無年金障害者は他の障害者家庭と同様、頼るべき親は高齢化し、なおかつ無年金状態にあります。
このように定住外国人の障害者や高齢者は生活上の困難を抱えている人々が少なくありません。
本来、国民年金は生活を営むうえで必要最低限の保障制度です。しかしながら、無年金状態にある定住外国人の人々は、本人の意思とは関係なく国民年金制度から排除されてきました。本団は、長年にわたって定住外国人無年金者の救済を訴えてきましたが、法的に何ら具体的な救済措置が講じられることなく今日に至っております。
こうしたなか、さる6月、通常国会で最大の焦点でありました年金制度改革法案が可決、成立しましたが、無年金定住外国人への救済措置は対象外でした。
3月の東京地裁「学生無年金障害者訴訟」での違憲判決を受け、超党派の「無年金障害者問題を考える議員連盟」(八代英太会長、160人)では総会で無年金障害者を、国籍要件撤廃前の在日外国人を含め年金方式で救済していく方針を決めました。しかし、会期末の6月9日に与野党がそれぞれ提出した無年金障害者救済法案によりますと、野党案は学生、専業主婦のみならず加入したくても加入できなかった在日外国人を救済対象にしていますが、与党案は救済対象に在日外国人を含んでおりません。
このような状況を踏まえ、貴殿におかれましては、9月臨時国会での無年金障害者救済法案本格審議に先立ち、在日外国人障害者も救済措置対象に含めるとともに、定住外国人無年金高齢者への救済措置も早急に講じるよう、厚生労働大臣および関係国会議員に働きかけて下さることを強くお願い申し上げます。