第109号 (平成11年) 新ガイドライン関連法案反対の国への意見書の提出を求める陳情
受理日:平成11年2月25日
付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成11年3月4日
議決日:平成11年4月29日
議決結果:審査未了
要旨
政府は、新ガイドライン(新日米防衛協力の指針)に基づき、「周辺事態法」を初めとし、自衛隊法や日米物品役務相互提供協定の改定(有事版ACSA)など、一連の立法化を進めようとしています。
これらは、国会の承認もないまま、アメリカの引き起こす戦争に、国を挙げて自動的に参戦・協力させるための、「アメリカ有事参戦法」ともいうべきものです。このもとで自衛隊が行う米軍への補給・輸送・機雷掃海、船舶臨検などは、まさに参戦行為そのものです。さらに自治体、民間まで動員し、民間空港、港湾の米軍優先使用、米軍への新しい土地・施設の提供、輸送・医療・建設などについて、自治体や民間の協力を義務づけようとしています。
今日、沖縄を初め日本全土で、傍若無人な米軍の横暴によって、住民の生活と安全が脅かされています。このような基地の重圧に加え、さらに日本の軍事力、経済力も米軍が戦争のために直接総動員しようというのです。
最近、高知県の橋本知事が、県内の港湾の入港に際し、非核証明書の発行を求める「非核神戸方式」を条例に取り入れようとしていることに対し、政府・外務省がこれを阻止する圧力をかけていることに大きな批判があがっています。国是である非核三原則を自治体の側から補強しようとすることに対し、これに矛盾する姿勢をとることにまず驚くと同時に、港湾の管理権限をもつ県に対し、国が横やりを入れるということにも驚かされます。今回のこうした事態の背景には、新ガイドラインに基づく、アメリカの戦争協力体制を整えたい政府が、自治体の拒否によって機能不全に陥ることに対する懸念があることは明らかです。
このように、この新ガイドラインは、私たち国民の生活と権利、地方自治と民主主義を脅かし、武力の行使・威嚇を禁じた憲法をじゅうりんするとともに、アジアの平和を脅かすものであり絶対に許すことはできません。
県内でも、自衛隊北宇都宮駐屯地の軍事用ヘリの基地化が進んでいますが、今後さらに強化されたとき、これが新ガイドラインのもとでどのように利用され、その影響がどう県民に及ぼされていくのか、不安は強くなるばかりです。
県民の福祉とくらし、安全と権利を守る地方自治の責務を全うすることを強く要望し、左記について陳情します。
記
一、「周辺事態法」や自衛隊法の改悪、日米物品役務相互提供協定の改定など、新ガイドラインに基づく一切の法律・協定の制定をしないよう、国への意見書を提出すること。