第999号 今後の保育制度の検討に関する意見書
議決年月日:平成21年3月25日
議決結果:可決
今後の保育制度の検討に関する意見書
少子化が進行し、安心して子どもを生み育てることのできる環境の整備が課題となっている中、保育所は仕事と子育ての両立を支えるだけでなく、子育て支援の拠点としても大きな役割を担っている。
この保育制度を含む次世代育成支援のあり方については、現在、規制改革会議の逐次にわたる答申などを受け、社会保障審議会少子化対策特別部会において議論が進められているところであるが、既に、昨年十二月に同部会から第一次報告(案)が示され、今後は、第一次報告の取りまとめとそれを踏まえた具体的制度の設計を行っていくものと理解している。
しかし、現在議論されている項目の中には、今後の財源の確保、保育要件の見直しや参入のあり方をはじめ、市場原理に基づく直接契約、バウチャー方式の検討など、保育サービスの提供と利用のあり方の根幹に関わる問題も提起されている。
よって、国においては、今後の保育制度のあり方に係る検討を行うに当たり、実施責任を持つ現場の地方自治体、保育団体等の意見を十分聞きながら、以下の対策を講じられるよう強く要望する。
記
一 保育需要の飛躍的増大と多様化が予想される中、保育施策の拡充を図るための安定した財源を確保すること。
二 子どもの権利と福祉を守る観点から、保育所、保育士等の量を確保するとともに、保育内容、設備等の質を担保する最低基準を維持すること。
三 認可外施設や認定こども園等の整備運営に対する支援策を強化すること。
四 保育サービスを必要とする保護者による利用を促進するため、保育料の負担軽減について検討すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年三月二十五日
栃木県議会議長 石 坂 真 一
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長