第993号 地域経済活性化対策の充実強化を求める意見書
議決年月日:平成20年12月25日
議決結果:可決
地域経済活性化対策の充実強化を求める意見書
米国発の金融危機に端を発した世界同時不況の中、本県の地域経済を支え、雇用の場としても極めて重要な役割を果たす中小企業は、資金繰りの厳しさが増すなど、一層厳しい経営を強いられている。
また、本県の基幹産業であり、輸出に大きく依存する自動車産業界においても急速な円高の影響を受け減産等を余儀なくされ、多数の非正規労働者の契約が打ち切られるなどの雇用問題に加え、今後の大幅な税収減等に伴う行政サービスの低下が危惧されるなど、地域経済や県民生活に暗い影を投げかけている。
このような状況の中、地方においては、国土保全はもとより景気浮揚対策として、社会資本の整備のための公共事業投資による波及効果を求める声が大きく、地域経済の建て直しを図るための施策として、地方に負担を求めない形での公共事業が求められている。
これに対し、国は、八月に「安心実現のための緊急総合対策」を決定し、十月には緊急保証制度の創設等を含む第一次補正予算を成立させ、さらに同月、追加経済対策として「生活対策」を取りまとめたところであるが、特に資金需要が高まる年末に向けて危機感が強まる中、第二次補正予算の提出は年明けの通常国会に先送りされる結果となった。
一方本県では、先月、中小企業の資金繰り対策、緊急雇用対策等を柱とした、総額六十三億七千二百万円に上る県独自の緊急経済対策を実施し、県民生活や中小企業活動の安定と活性化を図ることとしたが、世界的な景気後退の局面に対し、本県だけでの取組ではその効果には自ずから限界があると言わざるを得ない。
よって、国においては、地域経済の活性化を最優先課題と認識し、中小企業と県民の雇用を守るため、以下の対策を講じられるよう強く要望する。
記
一 地方においては、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく早期健全化基準等が平成二十年度決算から適用されるなど、厳しい財政規律を求められるため、弾力的な対応が難しい状況にあることから、我が国経済が回復基調に戻るまでの当分の間、地方公共団体が行う景気浮揚対策に要する財源について、地方交付税などにより必要な総額を確保すること。
二 中小企業に対する円滑な資金供給を確保するとともに、「貸し渋り」や「貸しはがし」が行われないよう、金融機関等の対応について徹底した監視を行うこと。
三 本県など特に雇用情勢の厳しい地域において、雇用機会の創出や就業支援に係る重点的かつきめ細かな対策を実施すること。
四 国民の安全と安心を確保するため、建設国債等を積極的に活用し、地方に負担を求めない形での公共事業の追加による経済・景気対策の強化を図ること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十年十二月二十五日
栃木県議会議長 石 坂 真 一
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣 あて
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
内閣府特命担当大臣(金融)
衆参両院議長