第991号 公立学校施設の早急な耐震化を求める意見書
議決年月日:平成20年10月9日
議決結果:可決
公立学校施設の早急な耐震化を求める意見書
公立学校施設は、児童生徒が一日の多くを過ごす学習・生活の場であるとともに、非常災害時には地域住民の緊急避難所としての役割も果たすことから、その安全性の確保は特に重要である。
しかしながら、文部科学省が実施した「公立学校施設の耐震改修状況調査」によれば、本年四月一日現在で耐震性が確認された校舎や体育館などの建物は全国の公立小中学校で六十二.三%にとどまっており、大規模な地震によって倒壊等の危険性の高い建物は約一万棟と推計されている。
本県の耐震診断実施率は九十七.四%と全国平均に比べて高いものの、耐震化率は五十三.四%に過ぎず、また、耐震性がないと判定された建物は八百二十四棟存在する。
近年は、地震や風水害などの大規模な災害が頻発していることから、児童生徒の安全を確保し、安心して学べる環境を整備するため、公立学校施設の耐震化を進めることは喫緊の課題である。
国では、先の国会において、「地震防災対策特別措置法」を改正し、時限措置として三年間に限り、「安心・安全な学校づくり交付金」における耐震補強工事への補助率を二分の一から三分の二に引き上げるなど、支援措置を大幅に充実させたところである。
本県においても、耐震化の促進に向けた積極的な取組を進めているが、依然厳しい財政状況の中で、耐震性により優先順位をつけて実施せざるを得ない状況である。
よって、国においては、今回の緊急措置に加え、以下の対策を講じられるよう強く要望する。
記
一 全ての公立学校施設の耐震化を一日も早く実現するため、所要の財源を確保するとともに、時限措置の延長を検討すること。
二 国が定める補助単価と実際の工事費用との格差により、その差額に係る地方自治体の負担が増嵩しているため、実際の工事費用に見合うものに引き上げること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十年十月九日
栃木県議会議長 石 坂 真 一
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
文部科学大臣
衆参両院議長