第988号 過疎地域自立促進特別措置法の失効に伴う新たな法律の制定に関する意見書
議決年月日:平成20年10月9日
議決結果:可決
過疎地域自立促進特別措置法の失効に伴う新たな法律の制定に関する意見書
我が国では、昭和四十五年の「過疎地域対策緊急措置法」の制定以来、三次にわたる特別措置法の施行に基づき、過疎地域における地域格差是正のための総合的な過疎対策事業が実施された結果、社会基盤の整備が進むなど、一定の成果を上げることができた。
しかしながら、人口減少と少子・高齢化が予想をはるかに上回る速さで進む過疎地域においては、農林水産業をはじめとする地場産業の衰退、耕作放棄地の増加、森林の荒廃などに加え、路線バスなどの公共交通機関の廃止・縮小、情報通信基盤の整備の遅れ、深刻な医師不足など、生産・生活基盤の弱体化が進行し、多くの集落が消滅の危機に瀕している。栃木県内でも三市町が過疎地域に指定されているが、これらの地域が抱える問題も同様に極めて深刻な状況にある。
一方で過疎地域は、居住の場であることはもとより、豊かな自然や歴史・文化を有する地域であり、都市に対して食料や水資源の供給、自然環境の保全と癒しの場を提供するとともに、森林による地球温暖化防止や国土保全に貢献するなど多面的かつ公共的な機能を担っていることから、その役割はますます重要になってきている。
このような中、現行の「過疎地域自立促進特別措置法」が平成二十二年三月三十一日をもって期限切れを迎えるが、私たちはこうした過疎地域の重要性を深く認識するとともに、今なお解決すべき多くの課題を抱えていることを真剣に受け止め、国家的な課題として総合的な対策を引き続き講じていく必要がある。
よって、国においては、こうした実情を真摯に踏まえ、過疎地域の一層の振興が図られるよう、失効する同法に代わる新たな法律を制定することを強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十年十月九日
栃木県議会議長 石 坂 真 一
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
農林水産大臣
国土交通大臣
衆参両院議長