第986号 アイヌ民族に関する総合的施策確立のための検討機関の設置を求める意見書
議決年月日:平成20年6月16日
議決結果:可決
アイヌ民族に関する総合的施策確立のための検討機関の設置を求める意見書
我が国には、固有の文化を有するアイヌ民族が存在しているが、過去の不幸な歴史等を踏まえ、アイヌ民族の社会的・経済的地位の向上のため、各般にわたる施策が実施されている。
平成九年五月、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」が制定され、平成十九年九月には、国際連合総会において採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」に対し、人権の保護に資するものとして、政府も賛成票を投じた。
さらに、今月六日、アイヌ民族を先住民族として認め、有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策を推進し、総合的な施策の確立に取り組むことなどを柱とした「アイヌ民族を先住民族とする国会決議」が採択されたところである。
アイヌ文化の振興とその伝統等に対する国民の理解促進に、これまで一定の進展が見られるものの、アイヌ民族の人権、教育、生活等には依然として多くの課題が残されており、一層の施策の推進が求められている。
よって、国においては、今般の国会における決議採択を踏まえ、アイヌ民族に関する総合的施策確立のための検討機関を早急に設置するよう強く要請する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十年六月十六日
栃木県議会議長 石 坂 真 一
内閣総理大臣
法務大臣 あて
衆参両院議長