第979号 食の安全・安心の確保に関する意見書
議決年月日:平成20年3月21日
議決結果:可決
食の安全・安心の確保に関する意見書
食の安全・安心の確保は、国民生活にとって根本的な問題である。
しかしながら、輸入食品の安全性をめぐる問題をはじめ、昨年、食肉の偽装事件、流通過程での産地偽装や期限表示の改ざん等の事件が相次いだことなどから、食の安全に対する国民の関心と不安感がこれまで以上に高まっている。
こうした中、千葉、兵庫両県で、中国の工場で製造、輸入された冷凍餃子を食べた消費者が、昨年暮れから下痢や嘔吐などの食中毒症状を訴えて入院する事件が発生した。原因は有機リン系殺虫剤の混入によるとされており、中には意識不明の重体となった患者もいたとのことである。
この事件は、輸入食品、中でも中国産への依存が増大する我が国にあって、食の安全・安心の確保を揺るがすものである。
食の安全は、国民の健康に直結した問題であり、安心して暮らせる国民生活のためにも、食に対する信頼の回復を図ることが急務である。
よって、国においては、食の安全・安心を確保するため、左記の措置を早急に講じるよう強く要望する。
記
一 中国製冷凍餃子の事件に関し、徹底した原因の究明を図るとともに、再発防止策を講じること。
二 輸入食品の安全性確保のため、食料輸出国に対し、安全性確保体制の改善を強く求めるとともに、輸入国の立場から調査を行う専門官の配置など安全性確保体制の整備を図ること。
三 食品輸入が増加していることから、輸入に際しての指導・検査の充実のための食品検疫体制を大幅に拡充・強化すること。
四 加工食品(外食用を含む。)の原料原産地表示を義務づけるとともに、食品表示を消費者にとってわかりやすいものとするため、食品衛生法、JAS法等関係法令を整合させるなど、食品表示制度の充実・強化を図ること。
五 食品の生産段階から最終消費段階までの経路の追跡及び遡及が可能となる制度の充実を図ること。
六 消費者行政を一元的に実施するための新組織を早期に設置すること。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十年三月二十一日
栃木県議会議長 石 坂 真 一
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
内閣府特命担当大臣 あて
(食品担当)
内閣府特命担当大臣
(消費者行政推進担当)
衆参両院議長