第921号 犯罪被害者の権利と被害回復制度の確立を求める意見書
議決年月日:平成16年6月14日
議決結果:可決
犯罪被害者の権利と被害回復制度の確立を求める意見書
我が国では、年々犯罪件数が増加し、その内容も凶悪化、低年齢化の一途をたどっている。こうした中で、犯罪被害者とその家族は、大きな痛手を受けながら、社会から偏見と好奇にさらされ、正当な援助を受けることもなく、精神的、経済的苦痛を強いられてきた。
平成十二年に、犯罪被害者保護関連二法が制定され、犯罪被害者にも意見陳述の機会や公判記録の閲覧などが認められるようになったが、依然として刑事手続きから排除され、証人への尋問、証拠の提出、被告人への質問や反論など、犯罪被害者及び家族には関与手段が認められていない。
また、被害者が加害者に損害賠償請求を行うためには、刑事裁判とは別に民事裁判を提起しなければならず、犯罪被害者及び家族に対し、犯罪による直接的被害に加え、更に多大な負担を強いている。
以上のことは、司法制度上、被疑者や被告人に認められている人権保障と比べると著しく公平を失するものであり、早急に是正されなければならない。
よって、国会及び政府に対し、犯罪被害者の権利と被害者回復制度等の確立のため、左記の事項を早急に実現するよう強く要請する。
記
一 犯罪被害者のための刑事司法を実現すること。
二 犯罪被害者が刑事手続きに参加できる制度を創設すること。
三 犯罪被害者が刑事手続きに附帯して民事上の損害回復ができる制度を確立すること。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十六年六月十四日
栃木県議会議長 平 池 秀 光
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣 あて
国家公安委員会委員長
警察庁長官
衆・参両議院議長