第919号 警察官の増員に関する意見書
議決年月日:平成16年6月14日
議決結果:可決
警察官の増員に関する意見書
県民が安全に安心して暮らせる地域社会は、県民生活や社会経済発展の基盤となるものであり、県民すべての願いである。
しかしながら、刑法犯認知件数が全国的には減少している中、本県は人口の増加や都市化の急速な進展等を反映し、平成十年以降連続して過去最悪を記録しており、特に殺人や強盗などの凶悪犯罪、来日外国人による犯罪、忍込みや自動車盗などの県民の身近なところで発生する窃盗犯罪が増加している。このような急激な犯罪の増加を受け、本県の留置場は他県に類を見ないほどの過密収容となっている。
また、多発傾向にある交通事故、少年事件の凶悪化、銃器等を使用した暴力団による対立抗争事件の発生などが、県民の体感治安を悪化させているとともに県民に大きな不安を及ぼしている。
さらに、本県は、首都圏に位置する地理的状況や交通基盤の整備に伴い、都道府県を越えた広域的な警察活動を余儀なくされており、今後、この傾向がより顕著になるものと懸念される。
こうした中において、本年四月に警察官七十人が増員されたが、本県警察官一人当たりの負担人口割合が高く、全国第十二位にあるなど依然として厳しい状況にあり、治安情勢の変化に的確に対応できる警察体制の充実が引き続き大きな課題となっている。
よって、国においては、このような本県の実情を十分勘案し、県民生活の安全と平穏を確保するための警察官の増員について引き続き特段の配慮をされるよう強く要望する。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十六年六月十四日
栃木県議会議長 平 池 秀 光
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
国家公安委員会委員長
衆・参両議院議長