第912号 珪肺労災病院の存続を求める意見書
議決年月日:平成16年3月3日
議決結果:可決
珪肺労災病院の存続を求める意見書
本県藤原町において労働福祉事業団が運営する珪肺労災病院については、平成十七年度末までに廃止するとの方針が示された。
同病院は、昭和二十四年にじん肺患者などの労働災害に対応するための療養所として開設されたが、現在では、地元藤原町をはじめとする日光地区広域行政圏及び隣接する塩谷町などにおける二次救急医療の拠点病院として大きな役割を担うとともに、高度な医療機器等を備え、夜間診療にも対応するなど、身近で安心な医療を提供する地域医療の中核的な病院として欠かせない存在となっている。
また、本地域には、日光という大観光地とともに、鬼怒川・川治といった全国有数の温泉地があり、観光交流立県を目指す本県にとって、同病院は、観光及び宿泊を目的とする旅行者の安全を確保するという面からも欠かせないものとなっている。
こうしたことから、珪肺労災病院が廃止された場合には、住民生活に重大な支障を来すことが明白なだけでなく、地域経済に大きな影響を及ぼすことも憂慮されるところである。
よって、国においては、地域に欠かすことのできない中核的な病院である珪肺労災病院の必要性を再認識し、国の独立行政法人が運営する病院として、引き続き存続すべく特段の措置を講じるよう強く要望する。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十六年 三月 三日
栃木県議会議長 梶 克 之
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて
衆参両院議長