第909号 医薬品の一般小売店における販売に関する意見書
議決年月日：平成15年12月12日
議決結果：可決
医薬品の一般小売店における販売に関する意見書
政府は、平成十五年六月二十七日「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三」を閣議決定し、医薬品の一般小売店における販売については、経済活性化の観点から医薬品販売体制の拡充として、利用者の利便と安全の確保について平成十五年中に十分検討を行い、安全上特に問題がないとの結論に至った医薬品すべてについて、薬局・薬店に限らず販売できるようにするとの方針が示された。
しかし、医薬品は、効能効果の一方で副作用被害の危険性をあわせ持っており、使用方法を誤れば、効果が期待できないばかりか、時として重大な健康被害を引き起こすことがある。
薬事法に基づく医薬品製造・販売等に係る諸規制は、過去の副作用被害事例等の反省の上に立って築き上げられたものであり、医薬品の品質・有効性及び安全性を確保し、生命・健康を守るために必要な社会的規制である。
高齢社会を迎える我が国において、医薬品提供体制は、国民の健康や安全をどのようなシステムで支えるかという視点で考えるべき問題であり、利便性や経済性を主に論議されるべきものではない。
よって、国においては、医薬品販売体制の拡充について、国民の健康で安全な生活を守るという観点から、医学、薬学の専門家の意見を十分に尊重した慎重な検討をするよう強く要請する。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十五年十二月十二日
栃木県議会議長 梶 克 之
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて
行政改革・規制改革担当大臣
衆参両院議長