第901号 警察官の増員に関する意見書
議決年月日:平成15年6月30日
議決結果:可決
警察官の増員に関する意見書
県民が安全に安心して暮らせる地域社会は、県民生活や社会経済発展の基盤となるものであり、県民すべての願いである。
しかしながら、本県は、人口の増加や都市化の急速な進展等を反映し、刑法犯認知件数が平成十年以降連続して過去最高を記録しており、特に路上強盗やひったくりといった街頭犯罪、コンビニエンスストア等を対象とした強盗事件、空き巣等の県民の身近なところで発生する犯罪が増加している中で、留置場は全国第一位の過密状況下にある。また、多発傾向にある交通事故、少年事件の凶悪化、銃器等を使用した暴力団による対立抗争事件の発生などが、県民の「体感治安」を悪化させているとともに県民に大きな不安を及ぼしている。
さらに、本県は、首都圏に位置する地理的状況や交通基盤の整備に伴い、都道府県の枠を越えた広域的な警察活動を余儀なくされているのに加え、北関東自動車道の開通などに伴い、今後、この傾向がより顕著になるものと懸念される。
こうした中において、本年四月、警察官九十人の増員がなされたが、まだまだ本県警察の警察官一人当たりの負担人口割合は高く、全国平均を一二五人上回る六六七人で全国第十一位と、依然として厳しい状況にあり、治安情勢の変化に的確に対応できる警察体制の充実が引き続き大きな課題となっている。
よって、国においては、厳しい財政状況下にはあるものの、このような本県の実情を十分勘案し、県民生活の安全と平穏を確保するための警察官の増員について引き続き特段の配慮をされるよう強く要望する。
右地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十五年六月三十日
栃木県議会議長 梶 克 之
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣 あて
国家公安委員会委員長
衆参両院議長