第889号 里親制度の充実を求める意見書
議決年月日:平成14年12月20日
議決結果:可決
里親制度の充実を求める意見書
里親制度は、家庭的に恵まれていない児童を暖かい愛情と深い理解の下で養育し、社会的自立を支援する制度として発足したものである。
しかし、里親には、養育にかかる経済的負担や精神的負担などが重くのしかかることから、現在、里親が養育している児童は、要保護児童全体の六パーセントに過ぎない。また、我が国では、欧米諸国に比べると里親制度に対する理解やPRが不足していること、さらに、養子縁組を前提としたものが多いことなども普及を阻み、里親の登録数は減少傾向をたどっている状況にある。
こうした中、今般、里親制度の重要性を再認識し、その充実と一層の普及促進を図るための大幅な制度改正が行われたところであるが、その矢先、本県において、里親による養育児童の傷害致死という痛ましい事件が発生したことは、誠に遺憾である。
よって、国においては、今回の事件を教訓とし、児童相談所をはじめ地域全体で里親たちを支援するために、里親制度の更なる充実に向けて、左記の事項について早急に対応するよう強く要望する。
記
一 里親制度全般に対する国民の理解を促進するため、積極的かつ工夫を凝らした広報啓発活動を展開すること。
二 里親養育相談事業の補助基準単価の大幅な増額と、里親に対するレスパイト・ケア実施期間の延長により、様々な悩みを抱える里親を支援する体制の整備・充実を図ること。
三 里親手当の増額を図るとともに、一般生活費、教育費等に係る基準単価の増額を図ること。
右地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十四年十二月二十日
栃木県議会議長 渡 辺 渡
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長