第874号 デフレ対策の推進及び中小企業金融の円滑化に関する意見書
議決年月日:平成14年6月17日
議決結果:可決
デフレ対策の推進及び中小企業金融の円滑化に関する意見書
日本経済は今、戦後初めて経験するデフレの最中にあり、物価の下落と生産活動の縮小を繰り返すデフレスパイラルの危機に直面している。
政府は、「改革なくして成長なし」という決意のもと構造改革を加速しつつ、経済財政諮問会議において「早急に取り組むべきデフレ対応策」を決定し、不良債権の処理を現下の最重要課題に位置づけ金融機関に対する特別検査を実施したところである。しかし、金融庁の金融検査マニュアルが一律適用されたことなどにより、融資抑制傾向が一段と高まり、特に中小企業の経営に深刻な影響を及ぼしている。
一方、不良債権の発生は、金融機関が適正なリスク管理を怠ったことに起因するとの反省に立ち、過剰融資や不当な貸し渋りなどの過ちを再び繰り返すことのないよう、社会的に望ましい分野に必要な資金を円滑に供給できる金融システムの構築が求められている。
よって、国においては、深刻なデフレを克服し日本経済が真に再生できる環境を整備するため、左記の事項に対し格段の措置を講じるよう強く要望する。
記
一 日本経済がデフレスパイラルに陥ることなく、その潜在力を発揮することができる新しい経済社会システムを構築するため、中小企業、特に、零細企業に対する金融対策を早急に実施するとともに、総合的なデフレ対策を強力に推進すること。
二 金融機関が適正なリスクを負いながら地域の要望に応えるという本来の使命を果たすことを求め、公的機関が金融機関を公正に評価する「金融アセスメント法」を早期に制定すること。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十四年六月十七日
栃木県議会議長 渡 辺 渡
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣 あて
金融担当大臣
経済財政政策担当大臣
衆参両院議長