第873号 温泉資源の多面的活用の促進に関する意見書
議決年月日:平成14年6月17日
議決結果:可決
温泉資源の多面的活用の促進に関する意見書
我が国は、豊かな温泉資源に恵まれており、観光、娯楽、レジャーをはじめ、疾病の治療や予防、疲労回復などの幅広い分野で温泉資源が活用されてきた。
しかしながら、主に観光などの商業的利用が中心であったことから、景気低迷が長期化する今日では、観光客の減少等により温泉地の活力が失われつつある。
一方、本格的な高齢社会を迎え、国民の「健康志向」はますます強まっており、健康増進や疾病予防の観点から温泉の医療的活用を望む声が高まっている。
温泉を利用した「温泉療法」は、心身の健康に極めて有効であることが医学的にも実証されている上、国民の健康が増進されることで医療費の抑制効果があるといわれている。欧米では、既に温泉療法が一般化しており、医療保険の適用もあるため、医療施設とリゾート観光施設が一体的に整備されるなど、温泉資源の多面的効果が発揮できる体制の整備が進んでいる。我が国においても、今後は、温泉資源の商業的利用に加えて医療的活用を一層促進し、国民の健康増進と温泉地の活性化を共に図っていくことが重要である。
よって、国においては、温泉資源の顕在的・潜在的価値を十分に発揮できる環境の整備に向け、温泉療法に対する医療保険などの適用や、温泉地の振興を図るための制度の創設など、有効な施策を早急に実施するよう強く要望する。
右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十四年六月十七日
栃木県議会議長 渡 辺 渡
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
厚生労働大臣
国土交通大臣
衆参両院議長