第870号 小児救急医療体制の充実・強化を求める意見書
議決年月日:平成14年3月22日
議決結果:可決
小児救急医療体制の充実・強化を求める意見書
少子化が進行し、核家族や共働き世帯が増加している今日、次代を担う子どもを安心して産み育てることができる環境の整備が課題となっており、特に、小児の医療に関しては、休日・夜間において身近に小児を診る医療機関が少なく、幼い子どもを持つ親が強い不安を感じていることから、小児救急医療体制の充実・強化が求められている。
子どもは、症状が急変しやすく、問診も十分に行えないことが多いことから、小児の診療に経験のある医師の的確な診断が極めて重要である。しかし、地域における小児医療の状況を見ると、人手や時間が掛かる割に診療報酬が低いなどの制度上の問題等のため、小児医療に携わる医師の減少と高齢化が進み、地域の小児救急医療が十分機能していない状況にある。その結果、大病院へ患者が集中し、本来は二次、三次救急を担うべき病院の小児科医が初期救急医療に追われるなど、過重な負担を強いられている。
国では、平成十一年度から三か年計画で、二次医療圏ごとに小児救急医療体制を整備する「小児救急医療支援事業」を実施しているが、小児科医の不足等から体制の整備が進んでいない状況にある。
よって、国においては、これらの課題を克服して小児救急医療体制を確立するため、左記の事項に積極的に取り組むよう強く要望する。
記
一 小児医療及び小児救急医療の採算性の向上を図るため、診療報酬制度の適切な見直しを行うこと。
二 大学医学部における小児専門医の養成と臨床研修の充実を図ること。
三 地域における小児の初期救急医療体制の強化策を講じるとともに、二次医療圏ごとの小児救急医療体制を早期に整備するため、「小児救急医療支援事業」を充実強化すること。
四 都道府県における中核的小児医療機関の整備が図れるよう適切な措置を講じること。
右地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成十四年三月二十二日
栃木県議会議長 石 島 保 男
内閣総理大臣
財務大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長