第840号 新たな森林・林業・木材産業基本政策に関する意見書
議決年月日:平成11年12月24日
議決結果:可決
新たな森林・林業・木材産業基本政策の確立に関する意見書
森林に対する国民の期待は、これまでになく高度化・多様化するとともに、地球温暖化防止や生物の生息環境の確保など環境問題への関心の高まりから、森林の多様な役割が改めて認識されている。
しかしながら、木材価格の長期にわたる低迷、木材の需要構造の変化及び山村社会の活力の低下等から、林業・木材産業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にある。
国民の貴重な財産である森林資源を守り育てながら、このような現状を改善していくためには、林業・木材産業の体質を強化するとともに、森林の持つ水源かん養、国土の保全などの公益的機能を最大限に生かし、国民の生活環境を保全できる持続性のある資源循環型社会に移行する新たな施策が必要である。
よって政府は、林業・木材産業の実態を十分踏まえるとともに、左記事項に配慮の上、新たな森林・林業・木材産業基本政策を確立するよう強く要望する。
記
一 森林の多様な機能が十分に発揮されるよう、総合的な森林整備施策の展開を図ること。
二 林業経営の担い手の育成・確保と施業の集約化等による森林の管理・経営体制の整備を図ること。
三 森林資源の循環利用に資するよう、木材産業の構造改革を進めること。また、公共施設の建築や公共土木工事等における木材利用を推進すること。
四 森林・伝統文化等の地域資源を活用した産業の振興、定住条件の整備等の推進を図ること。また、山村集落の活力を維持するため、農業における直接支払制度との関連を踏まえ、新たな措置について検討すること。
五 経済社会情勢の大きな変化に対応して、新たな基本法の制定を検討すること
右地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
平成十一年十二月二十四日
栃木県議会議長 郡 司 征 夫
内閣総理大臣
大蔵大臣
農林水産大臣
林野庁長官
環境庁長官 あて
国土庁長官
自治大臣
衆・参両院議長
(陳情書)