第833号 「周辺事態」を起こさないための外交努力の強化を求める意見書
議決年月日:平成11年7月1日
議決結果:否決
「周辺事態」を起こさないための外交努力の強化を求める意見書
五月二十四日「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」が成立した。この法律が国民生活や自治体運営に重大な影響を与えることになるにもかかわらず、自治体や民間協力の具体的な在り方など国会の論戦の中でも明確にならなかった点も多く、国民の不安や疑念はますます高まっている。
そして何よりも国会論戦の中で、日本の位置するアジア地域における平和戦略にふれた議論は乏しく、特に、「周辺事態」に発展する懸念のある『朝鮮半島情勢』あるいは『台湾問題』等については、深い議論を避けてきたと言わざるを得ない。こうした中で、今回の集団的自衛権の行使にもわたるような日米防衛協力の質的転換は、アジア地域にいたずらに軍事的緊張を高めることになる危険性を伴っている。
よって、政府におかれては、以上のような状況に鑑み、アジア地域に紛争や内戦の起こることのないように、また、万一それが発生しても日本の「周辺事態」へと拡大することのないように、未然防止と拡大抑制の平和戦略をまず打ち立て、外交努力に全力を挙げるよう強く要望する。
右地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
平成十一年七月一日
栃木県議会議長 郡 司 征 夫
内閣総理大臣
外務大臣
自治大臣 あて
防衛庁長官
衆・参両院議長
(陳情書)