第1236号 物価高騰等における継続的な支援を求める意見書
議決年月日:令和6年6月14日
議決結果:可決
議第 1 号
物価高騰等における継続的な支援を求める意見書
国は、中東情勢の悪化による原油相場の上昇などを踏まえ、ガソリンや灯油など、燃料油価格の高騰を抑制する補助制度を延長する一方で、家庭や企業の電気代やガス代の負担を抑制するための補助制度については、燃料価格の安定を踏まえ、5月使用分を最後に終了した。
このような中、今年の春闘では賃上げ率が5%を超え33年ぶりの高水準となったものの、円安を主因とする物価上昇が止まらず、実質賃金は25か月連続のマイナスとなっており、不安定な国際情勢により、LNG価格が再び上昇するリスクが常にあること等を踏まえると、今後も賃上げを上回る家計の負担増が懸念されている。
また、地方経済は、コロナ禍による社会の停滞の影響がいまだに残るなど、先行きが不透明であり、中小企業・小規模事業者等においても、物価高騰等による経営への負担の増加が懸念されていることから、賃上げ等の効果が最大限発揮されるよう取り組むとともに、地方経済を支える中小企業・小規模事業者等に対し、実体経済に即した支援を継続することが重要である。
よって、国においては、次の事項について、早急に取り組むよう強く要望する。
記
1 コロナ禍や物価高騰により、家計や中小企業・小規模事業者等への負担が蓄積していることを踏まえた経済対策を早急に進めること。
2 地方の中小企業・小規模事業者等が政府の目指す賃上げを実行するには、適正な価格転嫁や商慣習の見直しが必要であることから、適切に賃上げが実現できる対策を早急に講じること。
3 物価高騰を上回る賃金の上昇を実現する施策を明確にするとともに、物価高騰や金利上昇の影響を受けやすい生活困窮者に対しきめ細かな支援を行うこと。
4 中小企業・小規模事業者等の現状を踏まえ、新たな融資制度の創設等を含めた支援を充実させること。
5 物価高騰が長期化することを想定し、状況に応じて地方公共団体が迅速かつ柔軟な対応が行えるよう、財政措置を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年6月14日
栃木県議会議長 日向野 義 幸
内 閣 総 理 大 臣
総 務 大 臣
財 務 大 臣
厚 生 労 働 大 臣
農 林 水 産 大 臣
経 済 産 業 大 臣 宛て
産 業 競 争 力担当大臣
経 済 再 生 担 当 大臣
内 閣 府 特 命担当大臣
(経 済 財 政 政 策)
衆 参 両 院 議 長