第1230号 首都直下地震への万全の備えを講じることを求める意見書
議決年月日:令和6年3月19日
議決結果:可決
議第22号
首都直下地震への万全の備えを講じることを求める意見書
本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、強い揺れや津波、火災により家屋や公共施設等に甚大な被害が生じ、多くの尊い命が失われたことに加え、土砂崩れや陥没等のため緊急輸送道路が寸断され、集落が孤立し、救助活動や物資輸送が滞るなど、改めて我が国の災害対応に向けた課題が浮き彫りとなった。
一方、我が国では首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震が近い将来に高い確率で発生する可能性が危惧されているが、このうち首都直下地震は、死者23,000人、経済被害額は95兆円に達すると予測されるなど、発生すれば我が国の存亡を揺るがす大災害になりかねない。
首都直下地震は、今後30年以内に70%の確率で発生するとも予測されていることからも、その対策は待ったなしの課題であり、一刻も早く実効性のある対策を講じる必要がある。
よって、国においては、次の事項について、早急に取り組むよう強く要望する。
記
1 首都直下地震の地震規模や発生の時間帯等、様々な場面に応じたシミュレーションを実施し、首都圏における広域的な被害規模を示すことで、各都道府県における災害対応体制の確立や役割分担など具体的な事前対策につなげること。
2 首都直下地震の被害は都道府県単位で対応できる規模を超えることが想定されることから、東日本大震災や令和6年能登半島地震等から得られた教訓、課題も踏まえ、国が責任を持って平時から都道府県間の調整を行い、万全の体制を整えること。
3 人口が集中する首都圏では、地震による被害だけではなく、断水による生活水の不足、首都高速道路をはじめとした緊急輸送道路の寸断による食料を含めた生活必需品の不足等による混乱も想定されることから、既存の水・物資の供給体制にとらわれない柔軟な対策や首都圏外への広域的な避難などあらゆる対策を講じること。
4 首都直下地震の被害により、首都の中枢機関において業務の継続が不可能となる非常事態を想定し、日本全体の社会経済活動や国民生活への影響を最小限に抑えることができるよう、バックアップ体制を整えること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年3月19日
栃木県議会議長 佐 藤 良
内 閣 総 理 大 臣
総 務 大 臣
財 務 大 臣
厚 生 労 働 大 臣
国 土 交 通 大 臣
国土強靱化 担当 大臣
内閣府特命担当大臣(防災)
衆 参 両 院 議 長