第1211号 社会全体でケアラーを支援する仕組みの構築を求める意見書
議決年月日:令和4年12月19日
議決結果:可決
議第 9 号
社会全体でケアラーを支援する仕組みの構築を求める意見書
高齢や障害、疾病等の理由により援助を必要とする家族等に対し、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供するいわゆるケアラーが、個人として尊重され、社会から孤立することなく安心して生活することができる社会を実現することは、極めて重要である。
このような中、国において、18歳未満のケアラーであるいわゆるヤングケアラーの実態に関する調査研究が行われ、その結果が公表されたことを契機に、社会的な課題としての認知が広がり、地方公共団体においても条例制定や支援の動きが出始めている。
しかしながら、困難を抱えるケアラーはヤングケアラーにとどまるものではなく、また、ケアラーを取り巻く課題は全国共通のものであることから、ケアラー全体への支援の必要性を捉えたうえで、ケアラーへの支援に関する法律の整備やケアラー自身が相談しやすい環境整備、国や地方公共団体、関係機関の連携など、社会全体でケアラーを支援する仕組みを構築する必要がある。
よって、国においては、次の事項に取り組むよう強く要望する。
記
1 多様なケアラーを社会的に認知し、支援していくため、ケアラー支援基本法(仮称)を早期に制定するとともに、介護保険法やいわゆる障害者総合支援法など、家族等への援助に関わる既存の法律について、ケアラー支援の視点を取り入れた見直しを検討すること。
2 ケアラーの社会的認知度の向上とケアラー自身が相談しやすい環境整備を図るため、広報啓発活動の充実・強化に取り組むこと。
3 国や地方公共団体、関係機関等が相互連携を図り、社会全体でケアラーを支援する仕組みを構築すること。
4 自ら声を上げにくいヤングケアラーへの速やかな支援につなげるため、スクールソーシャルワーカー等の増員や研修の実施に関する財政措置を講じること。
5 ケアラーを支援する施策を実施する地方公共団体に対する財政的支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年12月19日
栃木県議会議長 山 形 修 治
内 閣 総 理 大 臣
総 務 大 臣
財 務 大 臣
文 部 科 学 大 臣 宛て
厚 生 労 働 大 臣
共 生 社 会 担 当 大臣
衆 参 両 院 議 長