第1205号 緊急事態に関する国会審議を求める意見書
議決年月日:令和4年3月18日
議決結果:可決
議第26号
緊急事態に関する国会審議を求める意見書
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症は、世界各地で感染が拡大し、長期にわたり、我々の日常生活や社会経済活動に大きな被害をもたらしている。特に、中小企業・小規模事業者の経営や雇用に対する深刻な影響を与えるとともに、医療提供体制において医療従事者や病床の不足により医療崩壊の危機に直面するなど、今まで想定されなかった事態も発生した。
また、近年、自然災害が頻発化・激甚化し、平成23年の「東日本大震災」では、瓦れきの撤去や支援物資輸送の遅れなど、被災自治体の行政機能の停止が問題となった。そして、今後30年以内に、高い確率で「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」の発生も予想されている。
我が国では、これまで、大地震や感染症、その他の緊急事態の発生に対し、災害対策基本法や新型インフルエンザ等対策特別措置法などによって対処してきたが、今後、より重大な緊急事態が発生した場合は、従来の法体系では対応できなくなるおそれがある。
感染症は全国的に多大な影響を及ぼし、巨大地震や豪雨災害などの自然災害はどこの自治体であっても被災地となり得る状況で、こうした感染症や自然災害に強い社会をつくることが我が国の喫緊の課題となっている。
国家の最大の責務は、緊急事態において国民の命と生活を守ることであり、国民は、そのための施策と法整備、さらには根拠規定たる憲法について国会が建設的な議論に取り組むことを期待している。
よって、国においては、緊急事態における憲法の在り方について、国会において建設的かつ広範な議論を行うとともに、地方自治体の意見を尊重した上で、国民的議論を喚起するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年3月18日
栃木県議会議長 阿 部 寿 一
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
防衛大臣
内閣官房長官 宛て
国土強靱化担当大臣
内閣府特命担当大臣
( 防 災 )
内閣府特命担当大臣
(経済財政政策)
衆参両院議長