第1204号 ロシアによるウクライナ侵略に関する意見書
議決年月日:令和4年3月18日
議決結果:可決
議第25号
ロシアによるウクライナ侵略に関する意見書
ロシアによるウクライナへの非人道的な侵略はいまだ続いており、核の恫喝を背景に、国際政治のパワーバランスが崩れ始め、その影響は、欧州にとどまらず、我が国を含むアジアや全世界に広がりつつある。
現在まで、ロシアは、ジュネーブ条約で禁止されている原子力発電所や病院、民間施設への攻撃など、国際法違反を繰り返し、多くの子どもたちを含む民間人が犠牲になり、ジェノサイドと言うべき卑劣な行為を行っている。
このロシアによる暴挙により、世界経済への打撃はもちろん、我が国、そして本県をはじめとする地方経済においても、コロナ禍からの回復どころか、事業環境が一段と悪化し、経済成長、雇用、生活への影響が強く懸念される。
我が国は、中国、ロシア、北朝鮮など核を持つ専制主義国家に囲まれており、中国やロシアにおいては、我が国の固有の領土である尖閣諸島や、不法占拠が続いている北方領土などへ領空侵犯や領海侵入などの挑発行為を繰り返し、北朝鮮においては弾道ミサイル発射の威嚇を重ねている。また、中国による台湾侵攻も懸念され、このロシアのウクライナへの暴挙は、決して対岸の火事ではない。
よって、日本政府は、世界そして我が国の平和と安定のため、率先して世界各国と連携し、次の事項について、最大限の実効性のある対策を取るよう要請する。
記
1 積極的な人道支援のため、ウクライナ在留邦人の人命救助、病院等の支援、難民支援などに取り組むこと。
2 我が国の経済安定化のため、原油や天然ガス、パラジウムなどのレアメタル、小麦、海産物などの資源の価格高騰による経済的な影響に対する措置を取ること。
3 ロシアとロシア支援国に対し、世界各国及び国際機関などと連携し、実効性のある経済制裁を科すこと。
4 ロシアによるサイバー攻撃から経済や社会を守るため、防衛施設、行政機関、病院、研究機関、大企業や原子力発電所などへのサイバーセキュリティ対策の更なる強化を図ること。
5 専制主義国家による脅威にさらされている我が国と台湾などの安全保障に対し、国民の生命と財産を守るための日米同盟やクアッド(日米豪印戦略対話)などを中心とした国際的枠組みの連携強化、経済安全保障の徹底、そして、自国の防衛力強化に取り組むこと。
6 在日ロシア人などに対して広がる国内での差別や誹謗中傷への防止策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年3月18日
栃木県議会議長 阿 部 寿 一
内 閣 総 理 大 臣
総 務 大 臣
外 務 大 臣 宛て
経 済 産 業 大臣
衆 参 両 院 議 長