第1201号 介護職員の処遇改善に関する手続きの簡素化と対象職種の拡大を求める意見書
議決年月日：令和4年3月18日
議決結果：可決
議第２２号
介護職員の処遇改善に関する手続きの簡素化と対象職種の拡大を求める意見書
少子高齢化の進展により、介護が必要な高齢者が増加する一方で、介護の現場では、介護人材の確保に大変苦慮している状況にある。また、コロナ禍においても介護サービスを継続していくためには、エッセンシャルワーカーとしての介護人材の役割がますます重要となっており、その処遇の改善が求められている。
こうした中、介護職員の処遇改善については、令和３年11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を３％程度（月額平均9,000円相当）引き上げるための措置を実施することが決定し、令和４年10月以降について臨時の報酬改定を行い、所要の措置が講じられることとなっている。
しかしながら、地域の介護サービスを持続可能なものとするためには、今回の臨時の報酬改定とともに、原則３年ごとに行う公的価格の改定も含め、制度の簡素化や介護報酬の運用について事業所ごとの柔軟な対応を進めるなど、更なる取組が求められている。
よって、国においては、以下の事項に取り組むよう強く要望する。
記
１ 臨時の報酬改定（令和４年10月以降）において新設される「新たな加算」については、現行の二つの加算（「介護職員処遇改善加算」及び「介護職員等特定処遇改善加算」）の統合を含めた一本化を検討するなど、事務手続きの簡素化に最大限努めること。
２ 「介護職員等特定処遇改善加算」の配分方法について、その対象者については、事務職員等も含めて、法人や事業所が実情に応じて柔軟な判断を行いながら、加算金の弾力的な運用が可能となるよう所要の措置を講じること。
３ 原則３年ごとに行う公的価格の見直しにおいては、現行の加算（「介護職員処遇改善加算」及び「介護職員等特定処遇改善加算」）との整合性を踏まえた上で、各介護職員の勤続年数と施設内でのキャリア検定制度などを組み合わせた人件費をベースにしての事業所ごとの介護報酬総額を算定する方式に変更するなど、介護報酬申請の手続きの簡素化と人材確保への事業者の裁量権を最大限尊重した制度の刷新を検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和４年３月18日
栃木県議会議長 阿 部 寿 一
内 閣 総 理 大 臣
総 務 大 臣
財 務 大 臣 宛て
厚 生 労 働 大 臣
衆 参 両 院 議 長