第1185号 預託法等の改正及び執行強化を求める意見書
議決年月日:令和3年3月23日
議決結果:可決
預託法等の改正及び執行強化を求める意見書
各種技術の進歩を踏まえた様々な製品・サービスが普及する一方で、こうした新製品・サービスの内容等を十分に理解できていない消費者の脆弱性につけ込む巧妙な悪質商法による被害が増加している。
このような中、国においては、消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」において、令和二年八月十九日に報告書を取りまとめ、悪質商法の手口の巧妙化・複雑化には断固とした対応が必要として、法施行強化や実効性ある制度改革を実行すべきとしており、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(以下「預託法」という。)等の改正法案について、今通常国会での成立を目指している。
特に、消費者に財産被害を及ぼす悪質な販売預託商法については、本県においても安愚楽牧場の和牛預託商法で大規模な被害が発生しており、罰則を含めた抜本的な法改正が必要である。
また、通信販売における詐欺的な定期購入商法に関する消費生活相談が増加し深刻な事態になっているほか、新型コロナウイルス感染症を巡る消費者の不安につけ込みマスクを送り付けるなどのいわゆる送り付け商法も問題化しており、規制強化など早急な対応が求められている。
よって、国においては、国民の消費生活における安全・安心を確保するため、悪質商法による消費者被害の発生・拡大防止及び被害回復に向け、次の事項に取り組むよう、強く要望する。
記
一 報告書を踏まえ、販売預託商法を原則禁止とする預託法の改正を早急に行うこと。
二 詐欺的な定期購入商法をなくすため、特定商取引に関する法律に係る指針の改正及び法執行の強化を図ること。
三 いわゆる送り付け商法については、現在の法規制の内容の周知を図るとともに、諸外国の法制も参考に制度的措置を検討すること。
四 消費者が通信販売等のリスクを正しく理解した上で契約を締結できるようにするため、書面の交付義務を維持するとともに、重要事項の理解促進が確保できる等の強化策を加えるなど、消費者保護措置を重視すること。
五 国及び地方自治体が厳正かつ適切な法執行を行えるよう、執行体制の整備や連携の強化を図ること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
令和三年三月二十三日
栃木県議会議長 相 馬 憲 一
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
内閣府特命担当大臣 宛て
(消費者及び食品安全)
消費者庁長官
衆参両院議長